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土木の仕事座談会 第2弾 若手編~牛木 隆匡さんにインタビュー

どのようなお仕事ですか?

大規模建設工事の計画を立て、設計・工事の発注、社内外との協議・調整を実施します。
現在は、中央線の輸送改善施策である、グリーン車増結に伴うホーム延伸工事や、踏切事故や道路渋滞を無くすため鉄道を高架化する連続立体交差化プロジェクトの工事の計画を立てています。

仕事上、譲れない信条はありますか?

発注者として、受注者であるゼネコンさん、コンサルさんに気持ちよく工事や設計を進めてもらうために早く明確な条件整理をすることを常に念頭に置くようにしています。
鉄道は多くの設備があるため、土木工事の支障となるものをいつまでに支障移転するか、いつまでに作って他の系統に渡すか、という緻密な工程管理が必要です。社内外で利害関係が異なる方をまとめる司令塔としての役割を担っています。
設計についても同様で、設備のスペックなどの条件を決めないとコンサルさんは動けません。社内外のルールやマニュアルを熟知し、関係者との調整を素早く行い、条件を明確に早く確定してあげることが役割です。

心底楽しいと思ったお仕事はありますか?

東北では、震災復興事業に携わり、津波で流された常磐線を工事着手から3年で内陸移設復旧しました。このプロジェクトの工事監督をしていたのですが、みるみるうちにできていく構造物を見るのが楽しかったです。

この仕事でよかったと思った出来事(やりがい)はありますか?

上記のプロジェクトで、完成した構造物の上を電車が走っていること、完成した駅をお客さまが利用しているのを見て、非常にやりがいを感じました。また、同じ社内ですが、メンテナンス部門の方に構造物を引き継ぐときに、立派な構造物を作ってくれてありがとう。と言われたときは、また別の喜びを感じました。

業界内の受発注相手など、どのような印象ですか?

鉄道に関わるゼネコンさん、コンサルさんは、ベテランが多く経験が豊富なため、発注者である我々が物事を判断するための色々な選択肢をいただけます。

業界内で、ここが変!と感じる点はありますか?

システム、ルールがガラパゴス化している。または多すぎる。

入社時と現在の、働き方や仕事内容の違いはありますか?

2,3年で異動があります。大きく分けて4つあり、設計・施工を指導する部署、将来計画を立てる部署、工事や設計を発注する部署、工事監督をする部署。入社時は設計指導の部署にいましたが、ジョブローテーションを繰り返しています。入社から8年たちますが、多岐にわたる仕事を俯瞰し、将来を見通して仕事ができるようになっています。

この仕事を選んだきっかけはなんですか?

発注者として、駅や周辺まちの計画を策定する仕事がしたいと思っていました。コロナ禍で鉄道需要は落ちているものの、鉄道が生活の足である人は多いので、より多くの人の生活に影響を与える仕事をしたかったからです。

学生のうちにやっておいてよかったこと、やっておけばよかったことはありますか?

人とのつながりを多く持つことです。
同じ会社の人と交友を深めるのは大事なことだと思いますが、時がたつと同じような生活や考え方になっていて、団結力は生まれるが発想の転換につながらないと感じます。
学生時代に色々な人とつながりをもち、社会人になって意見交換することは、たとえ同業他社であろうとも有意義なことであると感じます。

目指している将来像はどのようなものですか?

土木技術者としての経験、コスト感覚、工程感を活かし、当社全体の投資計画を策定し、経営を担うようになりたいと思います。

これからの土木業界(理想像)をどのようにお考えですか?

先端技術の導入が遅い分、伸びしろはあると感じており、DXのように他分野との連携によりより一層生産性の向上が期待できると感じています。

世間からの土木のイメージをどう変えていくべきでしょうか?

発注者、元請けくらいのレベル感であれば、土木のイメージの払しょくは容易と感じます。(そもそも無い?または変わりつつある)
ただし、実際にモノを作っている方、物理的に住民の生活に近いのはそういうレベルの人ではないと思います。現場作業を少なくすること、工事の省力化を図ることなど、あらゆるモノづくりの技術革新を進めていけば自ずと世間のイメージは変わっていくのではないかと考えます。

もし生まれ変わったら、どんな仕事をしたいですか?

弁護士

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