見出し画像

【若手先生QA】子供からすごく質問が出てしまうのは指示が悪いからでしょうか?

若い先生から質問いただきました〜!

2年生の図工で授業をする際に子ども達が前に集まってしまう場面が起きています。具体的には「画用紙に丸い穴をハサミで切って開ける場面」でやって見せても「先生どうやるの?」「これくらいでいいの?」「失敗しちゃった」「ハサミが上手く持てないよ」などと子どもたちが前に来てしまい個別対応、終わっている子に空白の時間が生まれてしまいました。

図工や書写、作業を指示するときに困る部分ですよね〜ヽ(´o`;
私なりに考えてみました!!

(1)指示は「目的」「端的」「視覚」に出す

指示の出し方の基本は、次の3つです。
「目的」:何のためにやるかを伝えます。
「端的」:できるだけ短い言葉で伝えます。
「視覚」:黒板に書くなど目で見てもわかる形で伝えます。

例えば、ご質問いただいた場面では、
「ボール遊びの絵をつくります。」(目的1)
「そのボールを画用紙から切って作ります。」(目的2)
という感じで、何のために丸い穴を開けるかを示すとイメージが持ちやすいですね。そして、それを黒板に書いておくとなお良いでしょう。
また、図工であれば(なかなか大変ですが)完成作品を教師が用意しておいて「こんな感じになるよ〜」と見せるのもイメージをさせやすですね。

(2)指示を出したら「質問」を受け付けよう

指示を出し終わったら「質問はありますか?」と聞きます。これをほとんど毎回やります。これは、先生のお話の途中で出し抜けに質問されるのを防ぐためでもあります。
「先生のお話の途中に、質問したい子がいるかもしれない。でもね、先生のお話を全部聞いてみてください。それでもわからなかったら、最後に質問しましょうね。」と子供たちに日々伝えておくと、質問のマナーが身につきますね。
また、この質問コーナーでトンチンカンな質問をする子がいる場合は、
「今すぐ、全員の前でする質問かな?後で、一人で先生に質問した方がいいかな?」と確認します。
ときには「それは後でもOKだね。先生がAくんに教えるね」などと教えます。そうすると、質問すべきことと、後で個人的に質問すべきことを区別する事を促すことができますね。

(3)「まず、友達。その後、先生へ」

通常の学級であれば、わからないことがあったら「すぐに先生〜!」ではなくて、「まずお友達と解決してみよう!」ですね。(特別支援学級や特別な配慮を要するお子さんの場合はまた違うと思います)
学級目標とか学校の教育目標とかに「助け合う」「協働」「共に」とかの言葉ある学校が多いと思います。だから、そこを持ち出して、このように子供たちに語ります。
「学級目標は”きょうりょく”ですね。困っている子にこえをかけて助けるのも協力。困っているときに”どうしたらいいかな?”って相談できるのも協力だね。困ったときにお友達に相談できるクラスにしていきたいね。」と
私は、友達と相談してうまくいく場面を見つけては、「すごいね!先生がいなくても自分たちでできたんだね!それって”きょうりょく”だね!」と褒めます。これが目標を具現化した状況でだよ!と示します。中学年、高学年と進んでいくためにもこうした経験を積ませることが必要だと思います。

(4)「失敗しても大丈夫!」なベース作りをしよう

質問が多い学級の特徴に「失敗を恐れる」があるかもしれません。
「失敗したらどうしよう」「失敗したくないな」など。そこで、「失敗しても大丈夫だよ〜〜!!」というのを色々な方法で伝えていきましょう。
第一に、教師が失敗した子を明るく受け止める、です。
授業で間違った子、ミスをしたらまず教師が「あ〜(´∀`)そういうことあるよね!」「ん〜惜しい!」「いい間違いだねぇ。」「Aくんが間違ってくれたからみんなで深く考えることができたね!」「次があるね!」「ふふふ〜違うんだなぁ(*´꒳`*)」みたいな感じで明るく大らかに受け止めましょう。
第二に、失敗の上に成功した子をめっちゃ認める。
2年生の算数かけ算の学習はこれがやりやすいですよ。何度もかけ算がうまく暗唱できなくても、何度も練習してできるようになった子を認めていくのです。「失敗は成功のもとだね!」と言いながら^^
第三に、失敗は失敗じゃないかも、と伝える。
図工で「シャボン玉を描こう」として、円を描いたとき「歪んだから失敗した」という子が出たらこう言います。「おお〜本物みたい!風が吹いたり、シャボン玉が出てくる時ってこんな感じでまんまるじゃなくなるよね!いいなぁ。味があるなぁ」と^^失敗も解釈を変えて、いい感じだ、いい味だ、と捉えられるようになると、生きやすくなりますよね。

(5)「個別対応ありき」の授業スタイルを組む

これからの時代は「個別最適化された学び」が求められます。その意味でも、「一人一人が自分のペース・やり方で学べる」環境づくりが必要です。だからこそ、「自分でドンドンやる子」「友達とやる子」「先生とやる子」など色んな子がいる事を想定して授業を組みます。授業を始めるときにコース選択をさせてもいいでしょう。「どんどんコース」「じっくりコース」「先生コース」とか名付けてやってみて。「自分でどんどんやれる子」には、最後の手順まで黒板に示しておき、終わったら読書などと伝えておきます。「先生とやる子」は座席も工夫して移動させておけば先生があっちこっちに行かなくてもいいかもしれませんね。
特に、低学年の子供たちは質問が出て当たり前、できない子がいて当たり前と思って授業を組み立てた方が教師のメンタルにもいいですよね^^
「何でできないんだ!」じゃなくて「できないよねぇ。じゃあこんな方法でやる?」みたいな発想です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?