コミティアの販売冊数中央値と、感想を与える仕組み


上記の人気サークルさんの記事がバズっているのを見かけました。
コミティアでは一桁しか売れない人がたくさん!という話が書かれており、書き手のまどそごみさんも初参加で、二次創作イベントとの勝手の違いに苦戦した様子です。
これを読んで、コミティアは恐ろしいところで、本なんか全然売れないんだ!と思う人が増えてしまったら嫌だなあと思うので、少しフォロー記事を書いてみたいと思います。

2021年のコミティア公式で発表されたアンケートから集計した売上冊数中央値は20冊でした(コロナで落ち込んで、やや回復基調の段階)

コミティア138 イベントレポート

www.comitia.co.jp
https://www.comitia.co.jp/history/138report.html


3〜4冊、という数字に比べると、ちょっと印象が違うのではないでしょうか。
もちろん、アンケートに全てのサークルが答えているわけではないですし、全員がカウントミスせずに報告しているわけではないはずなので、正確な数値ではないでしょう。しかし、オリジナルの同人誌が約20冊売れる場所があるってすごいことだと思います。

2021年、コロナ禍で20冊ですから、コロナ明けの今はもっと増えている可能性が高いです。



最初に紹介したブログでも書かれていますが、事前にネットできちんと告知し、SNSなどを運用して知ってもらうなどの活動をして置くことが前提にはなるでしょうけども。

20冊でも二次創作から来た人だと、少なさにびっくりされますけど、ちゃんと読んでくれる人はいるよ!と思います。自分の頭の中にしかない妄想が、他人の手に渡るって奇跡ですからね。


公式アンケート

公式がこういう数字を集めて発表している誠実な対応も、コミティアの良さだと思います。ネットで確認できるものは限られていますが「コミティア 平均 販売冊数」などで検索すると、過去のアンケート結果も断片的に調べることができます。ぜひ公式発表の実態に沿った数値を参考にされてください。


感想を伝える仕組み

コミティアには、公式イベントパンフレットとなっているティアズマガジンで、前回新刊の同人誌への感想を掲載する仕組みがあります。これはWebでも確認できて、自分の同人誌の生の反応を知ることができます。
www.comitia.co.jp
https://www.comitia.co.jp/history/147pr.html

数も大事ではありますが、コミティアの良さはこうした取り組みにもあるかと思います。

ところで、ニーチェの「ツァラストラはかく語りき」第二部の初版部数(どこの出版社も出してくれなくて私家版)は80部です。それでも歴史に残る名著として読み継がれているわけです。こういうエピソードからも、本は数じゃないっていうのは強く思うことです。(写本の時代なんか一冊しかないことあったし)
ジャンプが百万部売れてるから感覚麻痺しがちだけど、本って本来は、届くべき人に届けることさえできれば良いというものなんじゃないかと思います。

ちなみに、私自身のコミティアでの活動も、当然に中央値が20冊という世界の中でのものです。100に満たない部数であっても、人に届けて反応がもらえることの嬉しさを日々感じています。

この記事が参加している募集

コミティア

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?