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生まれて初めて、イベントを開催しようと思った理由

世の中にはいろいろな人がいる。
女性という枠組みをしても、それぞれが異なる人生を歩み、時に人生を選ばなければならない局面があって、それを乗り越えて今がある。

そのいろいろな女性たち全員と理解し合えるとは思っていない。
政治思想、女性を取り巻く背景、既婚か未婚か、子どもはいるか、
いないとしたらそれは授かることができなかったのか、
それとも自分の意志で子どもを産まないことにしたのか。

ほとんどの場合、聞くことはしない。
だけど私は、「垣根をはずして対話できる方法」をいつも考えている。

どうしても相いれない話題になったら、話さない、急に退出する、もしくは「話をテーマに戻しましょう」と提案する。

これを逃げだと思う人もいるだろう。
それも事実で、認めたい。

とはいえ有名人でもインフルエンサーでもない、無名ライターにも何かできないだろうか。

去年、私はZINEを作った。
言いづらいことを、言えるようになれますように。
そんなことを考えながら出した、「産まない選択」に関するZINEである。

文学フリマや通販、書店委託で、一部の人が関心を示してくれた。

「私もそうなんですよ」
「これを打ち明けることって、勇気がいりますよね」
「産みたくない私は、母性がなくて、私みたいな人はそんなにいないと思ってました」

感想がいろいろなところから来た。
中には緊張しながら私の本を指差して購入してくださる方もいた。
男性も買ってくださった。

私は、ZINEで伝えられているだろうか。
ふと不安がよぎる。
産まない選択という言葉は、思想が強いとか反出生主義だとか言われることがある。

そうじゃないんだよ。
産まない選択をしていない人、産まない→産むに至った人、
産みたかったけど産めなかった人、
まだ産むことや産まないことについて考えていない人。
すべての人に、考えてほしいテーマなのだ。

特に考えは違っても、相手の存在を認め合いたいと思っている人。
そんな人に手にとってほしいと感じた。

次の動きとして、まだ発表していない大きな仕事がある。

そしてそれとは別に、私はいろいろな人と向き合って、対話をしたいと思った。
産まない選択について。
条件は最初なので女性であることにさせてもらった。
話す相手の言葉をさえぎったり否定したりするのは禁止で、顔出しオフ、音声オフでもいい。
考えが偏りそうになったら、主催者である私が話題を「産まない選択」に戻していくつもりではいるが、途中退室しても問題ない。

アンケートをとってオンライン開催にすることにした。
8月26日(土)20時~22時
会費 500円(迷惑行為防止のため有料にします。利益が出た場合は次の開催費用にします)
※今回は女性のみ。

詳細は以下のURLからご確認ください。

参加者が3人以上になったので開催は決定したが、定員に達していない。
「なぜなのか」という問いを、私は自分に投げかけなければならないと思った。

ZINEの感想をくださった人たちや参加を検討してくださった人は、予定が合わない、もしくは気づいていないのかもしれない。

一方でこんな可能性もある。

誰かに知られるのが怖い。
自分は産まないと、まだ決めきれていない。
ZINEを読むのと、聞いたり話したりするのには、隔たりがある。
そもそも自分には子どもがいて、あえて産まない人のことを理解できない。

最初の理由に対しては、主催側として個人情報を死守するつもりだ。
だがほかの3つの理由のある人にこそ、私はこのイベントに参加してほしいと思っている。

まだ決めきれていない
→自然な感情だ。
私は参加される方に対して「一生産まないよね」なんて決めつけていないし、一度は産まない選択を考えたが出産するのは珍しいことではない。

読むのと、聞いたり話したりするのには、隔たりがある
→画面オフ、音声オフにできるので、もし話すのがいやなら話さなくていいし、聞いていて辛かったら途中退室をしても不快に思わないので心配しないでほしい。

そもそも自分には子どもがいて、あえて産まない人のことを理解できない
→聞いているだけでもいい。ただ、そういう人がいることを知ってほしい。
垣根をどうしても超えられないなら、それでもいい。
でもあえて産まない人の心のうちを、好奇心からでもいいので知ってほしい。

私は、不妊治療をしている人たちの苦しみを、若いころからよく聞く機会があった。
彼女たちの辛さは想像を絶するものだった。
一方で産むために努力する不妊治療は善とされて、私たちは悪と言われているような、そんな気持ちになることもある。

ここまで書いて涙が出てきたが、終わらせるわけにはいかない。
私は伝えないといけない。

産まない人生を歩む人の一部が、以下のような言葉で傷つき、「あえて産まないなんて、言っちゃいけない」と感じてしまうのを知っていますか?

・女性に生まれたのに、出産したくないってもったいなくない?
・少子化なんだからひとりくらい産まないと。
・子供がいないと将来不安だよ。後悔するよ。
・産めない人もいるのにわがままだよ。
・親族のためにも子ども作ってあげないと。
・母性、ないの?

どうして私たちはそんなことを言われないといけないのか。
耐える必要なんてないのに。
自分で自分の人生を決めようとしているだけなのに。

対話したい。
「産まない人生」を望むことに理由なんていらないのだ。

興味のある方は、問い合わせだけでもいいので、以下にメールか、TwitterにDMをお願いします。
今回は参加が難しくても、8月26日は予定が合わない、平日がいいというご希望も受け付けたいと思います。
rio.wakabayashi429☆gmail.com(☆→@)

これは私にとっても、女性の生き方について考える、大きな一歩であり、新しい挑戦でもある。
正直、話したくない人が全員なら、私ひとりで話し続けてもいい。

どうかこの願いが届くようにと祈っている。








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