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「ブラック家庭」のモラハラ専業主婦たち

「自分のやり方とタイミングで家事・育児をやりたいのに、妻にあれこれ言われるのが不満です。妻に頼まれたことをちゃんとやるだけじゃ不十分なのでしょうか」

そんなイクメン男性のお悩みに、四方八方から集中放火が浴びせられている。

虐殺の現場となったのは女性誌「VERY」で連載中の「パパの子育て悩み相談室」だ。本連載はジェンダーレス男子「りゅうちぇる」氏を始めとしたジェンダー専門家のみなさんがパパの悩みを一刀両断する人気コラムなのだが、今月号の内容はあまりにも現代社会のイマを映し出し過ぎていた。

上の相談を投げかけたのは海外赴任の予定を控え、専業主婦の妻と2歳半の娘と暮らす男性だ。積極的に家事・育児を引き受け周囲からは「イクメン」と称されているものの、専業主婦の妻は不満で一杯らしい。

主体的かつ積極的に家事・育児を手伝っているにも関わらず、「頼んだことをすぐやらない」「娘とすごす時にスマホばかり見る」などと専業主婦の妻は不満ばかり。そんな妻の反応にどんどんモチベーションが下がってしまう…と男性は悩みを寄せている。

そんな彼の悩みに対する、ジェンダー専門家のみなさんの回答がすごい。

「頼まれたことをやるだけで十分という考えは本当に恥ずかしい。会社でもそんな感じ?」(りゅうちぇる)

「比較対象が悪いために調子に乗ってしまっているのでしょうが、子どもとの外出やオムツ替え程度でイクメンだと思っているのはかなりの勘違い」(瀬地山角)

と、相談者の男性を全否定

海外赴任を控える激務の中で、積極的に家事・育児を引き受け、専業主婦の妻をサポートしているイクメン男性は「勘違い」した「恥ずかしい」存在であるというのがジェンダー専門家のみなさまのご意見だそうだ。

家事・育児は夫婦で平等に分担し、稼得役割が男性が一手に引き受ける。それが現代の日本社会における「あるべき夫婦像」のスタンダードだが、しかしこのような一方的な夫婦関係に女性読者は違和感を抱かないのだろうか。どうも、抱かないらしい。

りゅうちぇる氏のコメントを激賞するツイートは驚愕の20万いいねを突破。驚くべきことに、世の女性たちはりゅうちぇる氏になんの違和感も抱かないらしい。ジェンダー意識の高まりが知能を低めてしまったのだろうか。

さて、お気づきの方もいらっしゃるだろうが「りゅうちぇる」氏らのコメントは典型的なダブルバインドだ。

自分なりのやり方で家事育児をサポートする男性に対し、「自分で考えろ」「そんなやり方じゃダメだ」という矛盾したメッセージを発している。ブラック企業の上司などにありがちな態度で、部下の自尊心を折り、服従させるために用いられるやり方でもある。

このダブルバインドだが、実のところ多くの機能不全家庭で見られる典型的な光景でもある。

家庭の各メンバーには家事分担の意志があるのに、マネージャーたる専業主婦にマネジメント能力がなく、適切に仕事を割り振れない。

さらに家族が自分の思い通りに動かないことに段々イライラしてヒスり始め、「自分で考えろ」「そんなやり方じゃダメだ」という矛盾したメッセージを連発し、終いには「私はワンオペ妻をやらされてる!!!」と発狂し家族を始めとする周囲に当たり散らし始める。

能力の低いメンヘラ専業主婦が作る地獄の典型例のひとつだが、読者諸兄の中には身に覚えがある方もいらっしゃるのではないだろうか。

本稿では「ブラック家庭」で暴君として振る舞うモラハラ専業主婦の生態と、彼女たちが地獄を現出させてしまう原因についてお話していこう。

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週に1-2回程度更新。主な執筆ジャンルはジェンダー、メンタルヘルス、異常者の生態、婚活、恋愛、オタクなど。

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