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なぜチンポを入れるとフェミニズムは治るのか

ごく当たり前の話なのだが、わかってない方が多いのであえて明言しよう。フェミニズムとは男性嫌悪思想ではない。女性嫌悪思想である。

フェミニストの主張を思い返してみれば良い。彼女たちは女性を卑しむ。特に、出産や家事や育児などの「女性の性役割」を心から蔑んでいる。

家事を奴隷労働と同列視し、育児を喜びの欠片もない単なる苦役であると主張し、出産に至っては疾患や障害の一種であるかのような扱いだ。そういったくだらない仕事は第三世界の貧乏人にアウトソーシングし、先進国の女性は家事育児や妊娠出産から「解放」されるべき──フェミニストを自称する女たちはそう高らかに宣言する。

その一方で、彼女たちが価値を見出すのは伝統的に「男性の性役割」とされてきた事柄だ。会社組織における出世、政界や官界での栄達、近頃は軍組織における女性の立身までもが英語圏フェミニストの主要な戦略目的になっている。大企業CEOや大物政治家、さらには将軍や参謀長を目指すことが「女性の幸福」であるとフェミニストたちは主張しているわけだ。

少し考えてみてほしいのだが、これらの主張のどこに「男性嫌悪」が存在するのだろう。家庭を切り盛りする有能な主婦、子供を守り育てる優しく母親、夫を支える賢明な妻、こうした伝統的な「女性」的役割を全て唾棄すべきものとして徹底的に貶め、企業重役、政治家、高級軍人といった伝統的な男性的役割のみに価値があると彼女たちは主張している。

もちろん、「それらの地位を男性から簒奪する」という一点のみに焦点を絞れば「反男性」と言うこともできる。地位を簒奪するための方便として、男性の愚かさを強調し女性の優位性を主張する面も確かにあるだろう。

しかし、現代フェミニストの価値観の根底は、明らかに女性嫌悪と男性崇拝によって基礎づけられている。女性を弱く惨めで取るに足らない存在と見做し、男性を強く偉大で価値のある存在と見做しているのだから当然だ。フェミニストにとって男性とは嫌悪の対象ではない。劣等感と憧憬が混じり合った対象、一部の心理学で云うコンプレックスの対象なのだろう。「学歴なんてクソだ」と放言しつつ密かに大学再受験の準備を整えている人を想像してみればわかりやすい。彼を評するに相応しい言葉はアンチ学歴ではなく学歴コンプだろう。

そして実のところ、この議論は反フェミニストの側にも跳ね返ってくる。

ジェンダーフリーを肯定し男女の性役割分業を否定するマスキュリスト左派は特にそうだろう。「ガラスの地下室」を始めとする男女の不平等な状況を糾弾することは、ある意味で、「男性の価値」を否定することにもつながっているからだ

「ガラスの地下室」の一例を展開してみよう。例えば男性のみが兵士として徴用され、危険な肉体労働も男性のみが従事されられている。男性の幸福度は女性のそれよりも低く、過労死や自殺など死と隣り合わせの環境で生きるのもほとんどが男性だ。

しかしこれらは、こう表現することもできる。軍隊における活躍や栄達、危険な肉体労働に従事することの誇り、世俗の幸福に背を向けて我が道を征く男らしさ、死と隣り合わせの修羅場に身を置く英雄性。

おそらくかつての男たちは、これらを「負債」ではなく「権利」と見做していたのではないか。かつて女たちが母親であることを義務ではなく権利と見做していたように。「男性コンプレックス」をこじらせたフェミニストと、「女性コンプレックス」をこじらせたマスキュリストは、ある意味で鏡に映った双生児のようなものなのだ。生まれの性別に対する嫌悪と、異性に対する劣等感と憧憬。それらを共通して所持しているという一点において、両者の存在は極めて似通っている。

表面的には男性を嫌悪しながら、実際には女性を嫌悪し、男性に対して憧憬と劣等感の入り混じった複雑な感情を抱き続けるフェミニストたち。彼女たちの「男性コンプレックス」を癒す方法はあるのだろうか。

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週に1-2回程度更新。主な執筆ジャンルはジェンダー、メンタルヘルス、異常者の生態、婚活、恋愛、オタクなど。

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