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若い女×ハイブランド=風俗嬢

おばさんと風俗嬢のSNSことTwitterでは、「高級ブランド鞄のひとつやふたつ、イケてる女子ならなら当たり前に持つ」といった風潮が根強い。

しかしそれなりのブランド品を買おうとすれば、鞄なら安くても10万円程度はする。二十歳前後の女性に手が出る価格とは言い難い。ゆえにそぐわない年齢(10代~20代前半)でそれらを有してるのは風俗やパパ活や水商売などに従事している人であることがほとんどだ。

基本的に自分は

若い女×ハイブランド=風俗嬢

だと思っている。池袋や新宿のラブホ街を歩けば小汚い質屋にエルメスだのヴィトンだのシャネルだのの鞄が山積みになっているが、それはひとつの傍証だろう。夜職の稼ぎで分不相応なアイテムを買い、維持できなくなって質屋に手放す。そのアイテムがまた別の夜職の手に渡る。娼婦から娼婦へ。それはハイブランドのアイテムが辿る、ひとつの典型的な一生だ。

こういう真実を語ると

「そんなことはない!働いてブランド品を買う若い子もいる!」

「実家が太いと親からハイブランド品を買ってもらえる!」

などという反論が山のように寄せられるのだが、そんなケースは圧倒的な少数派だ。富裕層は二十歳前後の子供にハイブランド品など贈らない。それは慶応義塾の付属中高という日本有数のブルジョワ校でうんざりするほど富裕層のガキ共と付き合ってきた自分の確信だ。

本稿では自分が見てきた富裕層子弟の消費傾向と、地方出身の貧困女子に歪んだ価値観を植え付け売春に走らせる女衒のやり口について綴っていこうと思う。


富裕層はハイブランド品を子供に持たせない

自分が通っていた慶應義塾湘南藤沢という学校のお話については過去何回かマガジンでも触れて来た。骨の髄までエリート意識に染まった校風は最後まで好きになれなかったのだが、友人には恵まれたし、富裕層の生活実態について知ることもできた。まぁ今となってはそこまで悪くない思い出である。

生徒の出身階層は様々に分かれるのだが、おおむね以下のような形だろう。

A.上級公務員やエリートサラリーマン
B.中小企業経営者、開業医などの経営者
C.芸能関係者、起業家などの一芸者
D.大企業の創業者一族などのいわゆる財界人

「雇われ人」「経営者」「異能者」「財界人」とでも分類すべきだろうか。所得はA<B<C<Dの順に高い。しかしそれぞれの階層のエートスは少しずつ異なっている。

まず「雇われ人」と「財界人」の階層は子供に質素な生活を送らせたがる傾向にある。特に「財界人」階層はこの傾向が顕著で、子供の小遣いなどは努めて抑制する。ちょっとやりすぎでは?と子供心に思うくらいだ。

当時よく付き合っていた友人に時価総額数兆円企業の創業者一族の長男がいたのだが、彼は(自分同様)いつも金を持っておらず、よくキオスクで70円のどら焼きを割り勘してふたりで半分こして食べたりしていた。

「経営者」階層も基本的には同様だ。ただ前二者に比べると少しだけ財布の紐がゆるいかもしれない。しかし子供に過度な贅沢をさせるべからずという意識は持っているようで、多額の現金や分を超えた高級品を渡すようなことはほとんど無い。

例外的に子供が大金を持っているのは起業家・芸能人などの「異能者」階層の子供たちだ。自分の同級生では森内貴寛古川享の長男などがいたが、彼らは中学生・高校生の枠を超えて羽振りが良かったように記憶している。特に古川は金遣いが荒かった。

ちょっとシュールなのは、「異能者」階層の子供の羽振りのよさに「経営者」「財界人」階層の子供もタカり始めることだ。実家の資本力で言えばそれこそ何十・何百倍の格差があるのだが、構図だけ見ると小金持ちの子供に大金持ちの子供がタカっているのである。

さて話を戻して、これら富裕層の子弟がハイブランドの鞄などを持っていたかというと、基本的に「ブランド品」という概念があまり流通していなかったように感じる。

ハイブランド品とは言うまでもなく顕示的消費だ。ステータス・シンボルとして他人に見せびらかし、自分の社会的地位の高さを誇示できるのが商品価値の中核である。しかし一定以上の富裕層にとって、数十万、数百万円のアイテムというのはそもそも顕示的価値を有さない。

むしろ二十歳前後でそのようなアイテムを持つことを下品と感じるのが一般的な感覚だったように思う。下品というか、なぜそんなもの欲しがるんだ?というか。ハイブランド品に憧れるマインド自体がほぼ存在しなかったのだ。

食料事情が劣悪な近代以前のヨーロッパにおいては肥満した身体がステータスだったわけだが、食料生産効率が飛躍的に向上した20世紀以降は肥満はステータスではなくなった。それと同じようなことだろう。特に苦労せず誰でも手に入るものはステータスにはなり得ない。

では富裕層がマウンティングと無縁の心清い存在なのかと言えばもちろん違う。彼らのマウンティングはハイブランド品の所有などとはまた違った形で行われている。

基本的に富裕層のステータス・シンボルは、

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週に1-2回程度更新。主な執筆ジャンルはジェンダー、メンタルヘルス、異常者の生態、婚活、恋愛、オタクなど。

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