托卵を「大したことじゃない」と考える女たち
最悪のテーマがインターネットで話題になっている。
そう、托卵についてである。
ミームの源泉は、「ママスタ」という女性向け子育てコミュニティで連載されていた不妊治療をテーマにしたコミックのようだ。
ストーリーをざっくり話すと、なかなか第2子を妊娠できず不妊治療を進めていた女性が、たまたま不倫したタイミングで妊娠が発覚してしまい、夫に全てを話すか悩んだが全てを秘匿して生きていくことを決意したーーというものである。
内容についてもツッコミを入れたくなるが、SNS上で揶揄され続けているのは「托卵を秘匿することを決意したシーン」のあまりの爽やかさだ。
(引用:「お腹の子は誰の子……」不妊治療中、元カレと一夜の過ち……その後、妊娠が発覚した話【後編】)
確かにこの絵面からは「托卵」という極めてシリアスな加害行為をしている自覚が全く感じられず、あたかも何か前向きな決断を下したように描写されている。
この托卵という行為の重さと、それに対するリアクション軽さ、そのギャップがSNSでのバズ(というか炎上)に繋がったのだろう。
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このコミックが女性向けメディアで問題なく受け入れられていることからもわかるように、一般に女性は托卵という行為を極めて軽く考えている。
そもそも托卵が加害であるという前提すら共有できておらず、「バレなければいい」「隠し通せばいい」と極めて軽く考えてる向きが大いにある。
その傍証のひとつはフェミニストたちの托卵や不倫に対するスタンスだろう。
たとえば日本フェミニズムの大御所である上野千鶴子は、母親の不倫に悩む男子高校生からの人生相談に「母親の不倫を祝福せよ」と返答している。
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