青春をやり直したいと願う「老いた若者」たち
自分は今32歳だが、この歳になると同級生たちはどんどん結婚して子供を作っていく。
彼らの様子を見ると、みな一様に「大人」だ。どんどん自意識が小さくなり、どんどん夢見がちなことを言わなくなり、どんどん現実を重視するようになり、すべての軸が「自分」ではなく「子供」になっていく。キャリアにおいても私生活においても、「自分」のためではなく「子供」のために判断するようになっていく。
そういう光景を見ていると、「ああ、結婚と育児というのは、人間を作る上で必要不可欠なプロセスなのだな」と思わされる。結婚と育児というイニシエーションを突破できなかったものは、永遠に思春期を引きずり、老いた若者として自分探しをし続けなければならない。衰えつつある身体を引きずりながら。
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光浦靖子「49歳になりまして」芸歴28年・もう一つの人生も回収したい
本日バズを引き起こしていた光浦靖子さんのエッセイは、まさにそのような「永遠の思春期を生きる老いた若者」の典型のようなお話だった。
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