最も典型的な「弱者男性」はジャニーズJr.のタレントである
週刊誌などを手に取る習慣がある読者の方はご存じかもしれないが、いまメディア業界において空前の弱者男性ブームとも言うべき現象が起きている。
この潮流はTwitterやnoteなどのテキスト系ネットメディアのみならず、AbemaTVやYoutubeなどの動画メディアや週刊誌などのオールドメディアに至るまで広がっており、「弱者男性」をテーマにした番組や企画が様々な形で世に出はじめている。しかし残念ながら、その大半が「不可視化される男性困窮者」という問題概念を根底から見誤っているのが現状だ。
例えば「週刊SPA」は弱者男性をテーマにした企画に積極的なメディアのひとつだが、そこで紹介される弱者男性の典型は「ゴミ部屋で暮らす40代のひきこもり男性」や「精神障害を持つ生活保護受給者」などである。
これらの当事者が様々な理由で困窮していることは言うまでもないが、そうしたある種「わかりやすい」弱者像と弱者男性という概念は根底から異なっている。「弱者男性」という言葉が出来た経緯を鑑みればわかるように、「弱者男性」とは「不可視化された困窮者」、つまり
「社会的弱者でありながら福祉やケアの網に包摂されない男性困窮者」
のことを指す。精神障害者、ひきこもり、生活保護受給者といった既存の福祉概念で捉えられる当事者は、重要ではあるが「弱者男性」という問題概念の典型として挙げるのはふさわしくない。間違いなく弱者性を有しているにも関わらず弱者として扱われない当事者こそが弱者男性であり、目に見えて気の毒な精神障害者や生活保護受給者をあげて支援の必要性を叫ぶようでは「弱者男性」という問題を頭から理解できていないも同然だ。
では、実際にどのような人々が「弱者男性」なのか。
極めて典型的な「弱者男性」は、たとえばジャニーズJr.のタレントたちだ。
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