「性犯罪の原因は男尊女卑」というフェミニズム・イデオロギーについて
現在、広く流布しているフェミニズムの主張に
「性犯罪の原因は性欲ではなく支配欲である」
というものがある。
フェミニズムのイデオロギーに詳しくない方にとって、これは一読しただけでは意味不明な主張だろう。かいつまんで説明すると、「性犯罪は、衝動的な性欲によってではなく、明白な政治的意図を以て行使される暴力だ」とする考え方だ。
家父長制的なイデオロギーを内面化した男たちは、女を屈服させ、男に跪かせるために性犯罪を利用する。性犯罪は女たちを低い地位に留めておくための手段であり、それ自体が目的ではない。つまり性犯罪の動機は性欲ではなく政治的欲求(支配欲)なのだーーとフェミニストは考えるのだ。
この思想は1975年、スーザン・ブラウンミラーというフェミニストによって発表された「レイプ:踏みにじられた意思」という書籍によって広く広がった。
信じがたいことに、現在に至るまで強い影響力を持っている思想で、あろうことか性犯罪者の更生プログラムまでもが大きな影響を受けている。
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もしこの考え方が正しいとすれば、性犯罪者はみな女性を屈服させんとする政治的動機を持っていることになる。とすれば、彼らを更生させるためには男尊女卑的な考え方を矯正し、はっきり言ってしまえばフェミニストに改造すれば良いということになる。
このアイディアが間違っていることは、男性フェミニストの性犯罪という近年急速に可視化されつつある現象を目の辺りにすれば明らかだろう。
彼らは明らかに根っからのフェミニストであり、「家父長制的」な社会を改革しようと時間と労力を割いて活動してきた。その彼らが性犯罪に手を染めているのは、「性犯罪の原因は性欲ではなく支配欲」というドグマが如何に現実を反映していないかを物語っている。
精神科医療を侵食するフェミニズム
このドグマが極めて危険なのは、単に象牙の塔で唱えられているマントラではなく、実際の性犯罪者の治療プログラムにまで影響を与えている点だ。
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