「加害者」として扱われる男性被害者たち
本マガジンでは定期的に話題になるテーマだが、しかしこれは重大な話なので繰り返しになるがもう一度言おう。そして胸に刻んで欲しい。女は弱者を愛さない。
女が強者を愛することは周知の事実だろう。権力者、資産家、凶悪犯罪者ーーーー、そのような人々ならば、女は愛する。彼らの強さを、もっと言ってしまえば暴力性を、女は愛するからだ。女は強者を愛する。
しかし「女は弱者を愛さない」という話を、「ただ単に愛さないだけ」と捉えてもらっては困る。例えば路傍の石ころや、遠い国で行われる選挙のように、単に無関心になるだけと勘違いしてもらっては困る。
そうではない。そういうことではない。「女は弱者を愛さない」というのは、そのような現象を指すのではない。
女は弱者を愛さない。愛さないだけではなく、女は弱者を憎悪する。そして冷酷に、無慈悲に、排除しようと試みる。
これは何も妄想ではない。先日話題になったこの記事などは好例だろう。
この記事は「出世競争で劣後に立たされた夫に暴力を振るい続けるDV妻」の物語なのだが、筆者の奥田祥子はそれを「出世レースに負けた敗北感から妻にモラハラを繰り返す最悪夫」の物語に捻じ曲げてしまった。
女の弱者に対する冷酷さ、無慈悲さ、共感性の無さ、加害性がギュッと詰まった一件と言うほかないが、継続的に暴力を受け、何針も縫う大怪我を負い、私生活において暴力的に支配された男性被害者を「加害者」に仕立て上げるその手腕には舌を巻くしかない。
このような事例は、本当に、枚挙にいとまがないのだ。以前「専業主夫になると不幸になる」という記事でもまとめたが、「イクメン」や「専業主夫」のような経済的に弱い立場にある男性に、女性たちは全く無慈悲に接する。そして彼ら弱者男性に対する加害は「被害者」の仮面を纏った女性によって執行される。
なぜ女たちはこうも弱者に無慈悲になれるのか。特に男性弱者に対して、全くのサイコパスとしか言いようがない振舞いに出ることが出来るのか。本稿は女性の無慈悲さの根底にある観念について綴っていく。
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