見出し画像

女によって「楽園」は滅びる

鉄道研究部は男子校にしかほぼ存在しないという興味深い事実をみなさんご存じだろうか。ある受験情報サイトによれば、男子校の過半数が鉄道研究部を設置しているのに対し、共学や女子校になると鉄道研究部を設置する学校はほとんどゼロに近づいてしまうのだ。

注目すべきは、男子校と共学の差異である。男子校と女子校の差なら単なる興味の性差だが、男子校と共学の差は興味の性差ではあり得ない。過半数の男子校で鉄道研究部が設置されている状況から考えれば、鉄道研究部に興味を持つ男子は共学にも高い確率で存在するはずである。

にも関わらず、男子校では鉄研が設置され、共学では鉄研が設置できなくなる。どうも共学校において男子は、自分の興味関心を追求することが極めて難しくなってしまうらしい。

…といった話をTwitterで呟いていたら、「男子校はオタクの楽園でした!」という声が次々とマシュマロに届きはじめた。曰く、男子校にはオタクを迫害する雰囲気がほとんどなく、共学で生じがちな「陽キャによる陰キャいじめ」のようなカルチャーもほとんど見られないらしい。サッカー部もコンピューター部も野球部も鉄道研究部も概ねみな争うことなく仲良しで、同じ校舎で笑い合いながら楽しく青春を過ごせるのだという。

この話を聞いて、筆者はギリシャ神話における楽園喪失の物語を連想してしまった。なぜ人類は楽園を追われたのか。叙事詩人ヘシオドスが紡ぐ神話において、その原因はだとされているのだ。

かつて、男しかいなかった人類は黄金時代と呼ばれる繁栄を謳歌していた。その時代には戦争も犯罪もなく、人々は平和と豊穣をひたすらに享受していた。

しかしプロメテウスが人類に火を与えたことに怒ったゼウスは、人類を罰するために罠をしかける。その罠こそが最初の女、パンドラである。つまりギリシャ神話において女という存在は、神々が人類を罰するために造ったとされているわけだ。

美しい容姿と邪悪な心を持ったパンドラは、

ここから先は

2,540字 / 1画像
週に1-2回程度更新。主な執筆ジャンルはジェンダー、メンタルヘルス、異常者の生態、婚活、恋愛、オタクなど。

狂人note

¥1,000 / 月

月額購読マガジンです。コラムや評論が週1-2本更新されます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?