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トイアンナ氏が決して女性から支持されない理由
トイアンナ氏のnote記事「フェミニズムが女を殺す」が盛大なバズと賛否両論を引き起こしている。
内容としては(伝統的な)リベラリストの立場からフェミニストによる表現規制に反対し、さらに現代フェミニズムが陥りがちな「慈悲的差別」に対しても批判を投げかけている。
おおむね古典的リベラリストだったらそう考えるべきだろうなという内容が綴られており、個人的に大きな驚きはない。ネット論客であれば青識亜論さんなどとは極めて近しい思想的立場だろう。個人の自由を尊重し、理性を重視し、迷信や不合理な差別に反対するのが古典的リベラルの特徴である。(その反面、社会的弱者の包摂を軽視しがちでもあるのだが)
さて、そんなトイアンナ氏の「フェミニズムは女を殺す」記事であるが、現代主流派を形成しているフェミニスト諸氏からは極めて批判的に受容されているようだ。トイアンナ氏を「アンチフェミ」「ミソジニスト」「フェミ叩きに魂を売った」などと批判する反応が多く見られる。
ツイッターのみならず、はてなブックマークでは元ファンを名乗るアンチによって書かれた匿名ダイアリーまでがバズり始め、フェミニストらによる誹謗中傷の集中砲火に晒されていると言っても過言ではないだろう。
トイアンナさんのnote、普段は概ねいいね数2桁なのに、フェミ叩きしたら1000間近。女性がフェミ叩きすると大量のミソジニストからヨイショされる毎度お決まりパターン。マーケティング的には成功でも、専門家の知見まで否定して、それって歴史学を否定するネトウヨ的歴史論と何が違うのか教えて欲しい
— 勝部元気 Katsube Genki (@Katsube_Genki) July 2, 2021
「女性を安易に性的客体化してアイキャッチとして利用するな」という話であって、「女がこんなふしだらな!」なんて話ではない たとえばこれと同じ構図の写真を女性が主体として自撮りして公開したって誰も批判などしない 「男による女性の性的客体化」と「主体としての女性」の違いはわかるべき https://t.co/8KmZsLVgpp
— つりがねむし (@Tsurigane_mushi) July 1, 2021
トイアンナがフェミニストだったことってあったっけ?というのが私の感想で、初期の彼女のブログやコラムを時々読んでいたけど当時はフェミニストを自称してなかったような。むしろ彼女が積極的にフェミニストを自称するようになったのって、フェミニスト叩きをするようになってからじゃないかな。
— 高橋ミレイ(Mirei Takahashi) (@mikeneko301) July 2, 2021
おそらく今後、トイアンナ氏は「アンチフェミ」の一派としてこれらの集団から目の敵にされてしまうのであろう(気の毒なことである)。
しかし「反フェミニズム」の思想地図を描いた筆者からすると、トイアンナ氏を反フェミニストに分類することは全くもって正しくない。トイアンナ氏はフェミニストである。しかも、かつては王道中の王道であった、極めて伝統的なフェミニズム思想の潮流に属する。
その名を、ジェンダーフリー思想という。
本稿ではトイアンナ氏の思想的立場を分析すると共に、彼女が決して女性のマジョリティ層から指示されない理由について綴っていこう。
トイアンナ氏の思想的立場
実のところ筆者は、数年前からトイアンナ氏をウォッチしてきた。というのも氏が今や絶滅危惧種と言っても過言ではないジェンダー思想の派閥に属する論者だったからである。
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