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レ〇プされたがる女、レ〇プしたがらない男

「女はレイプが大好き」

…などと口にすれば、社会的生命などあっという間に吹き飛んでしまうのが2020年代の現代社会である。

いま世の中で最も尊ばれているのは女性のセクシュアリティだ。女性は尊重されなければならない。何よりも性的に尊重されなければならない。そうした世論の後押しを受けて2017年には「強制わいせつ罪」(旧強姦罪)が親告罪から非親告罪へと改正され、2023年7月には「不同意性交罪」と名前を変え適応範囲がさらに拡大している。

女性の性的な安全・安心を守り、性犯罪をさらに厳しく取り締まるべしという見解はここ半世紀ほどの地球規模のトレンドでもある。創作においても「殺人よりレイプの方が読者の印象が悪い」というのは今や常識であり、強姦というモチーフは物語の世界でさえほぼ見られなくなってきている。

このように、老若男女、右派左派、国粋主義者にグローバリスト、あらゆる派閥を超えて「レイプはよくない。レイプするようなやつは厳罰に処せ」というのが日本を含む西側社会におけるコンセンサスなのだ。これに異を唱える者など爬虫類型宇宙人による人類支配の陰謀を本気で信じている陰謀論者よりも少ないだろう。

しかし、そうした風潮がまるで平行世界の出来事でもあるかのように今日に至っても「レイプ最高!!!」というメッセージを日々発信する孤高の業界がある。

そう、女性向けポルノ業界である。

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週に1-2回程度更新。主な執筆ジャンルはジェンダー、メンタルヘルス、異常者の生態、婚活、恋愛、オタクなど。

狂人note

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