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「非モテ男性にミャンマー人女性をあてがえ」という暴論について

「非モテ男性にミャンマー人女性をあてがえ」という暴論がネットの一部で話題になっていたので少し言及する。

この論の発信源は「ミャンマー人女性の結婚斡旋業者」を名乗る某アカウントであるらしい。氏は日本人の非モテ男性に向け「ミャンマー人女性との結婚」を提唱し続けている。氏のブログから主張の一部を抜粋しよう。

ミャンマーをはじめとする東南アジアは俗に「ヒモ体質の浮気性」と言われるほど男性が怠惰なせいで、女性の未婚率が日本以上に上昇しています。言い換えればそこには広大な婚活フロンティアが広がっているのです。
いまだ世界第三位の経済大国でいっぱしに生きている自分にもっと自信を持っていいと思います。40ヶ国を旅したことのある私に言わせれば、勤勉で真面目な日本人男性はグローバルスタンダードでは貴族階級です。
従来の婚活産業で相手が見つからないのであれば、潔く結婚相手を見つける場所を変えましょう。時間と金の無駄です。男性も加齢とともに結婚相手としての価値が下がるので、早めの決断が肝要です。この点、すもも氏は自分が「上」になれる社会または男性の経済的地位の平等度が高い社会に移動することを提唱していますが、私はミャンマー人女性・ベトナム人女性をはじめとする東南アジアの女性を非モテ男性の結婚相手の選択肢の一つとして提示したいです。
母国の男性が怠惰なせいで彼女たちは男性を多くを求めず、①勤労意欲と②家族を大切にすることぐらいしか求めません。

(引用:「私がミャンマー人女性をお勧めする理由」)

氏の主張をかいつまめば

・勤勉で真面目な日本人はグローバルではまだまだ「上」である
・ミャンマー人と日本人を比べると日本人は「上」である
・だから日本の非モテ男性もミャンマー人となら結婚できる!

というものになるだろう。ミャンマー人男女(と非モテ男性)に対する差別意識にまみれた主張に、ほとほと頭が痛くなる。

ちなみにミャンマーの1人当たりGDPは15万4千円ほど。日本は440万円ほどで約30倍の開きがある。確かにこれほどの経済格差があれば「グローバルスタンダードでは貴族階級」の日本人男性が「上になれる社会」と言いたくなるのかもしれない。先進国による開発途上国への収奪。それがそのまま性関係においても実現する形になる。

大いに驚くのが、この搾取的な言説を「リベラル」な価値観を内面化する人々が肯定的に受け取っていたことだ。

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週に1-2回程度更新。主な執筆ジャンルはジェンダー、メンタルヘルス、異常者の生態、婚活、恋愛、オタクなど。

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