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「仕事と家庭の両立」が「よくばり」以外の何物でもない理由

「働く女性応援よくばりハンドブック」なる文書が炎上している。

このハンドブックは広島県が作成したもので、ワーキングマザーに向けた各種公的支援や相談窓口などを網羅したものだ。広島県のHPから全内容を読むことができるが、視認性が高く内容も充実しており、お役所仕事としては及第点以上の成果物と言えるだろう。

各種報道を見る限り、炎上の起点はこちらのページにあるらしい。「ワーキングママの心構え」と題された1ページで、育児をサポートしてくれる周囲への「感謝と配慮」の重要性を説いた部分だ。

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(引用:「働く女性応援よくばりハンドブック」P26より)

はっきり言ってしまうと、この内容が炎上することに驚愕を禁じえない。支えてくれる周囲に対する「感謝と配慮」を要請されることは、成人として、また社会人として、あまりに当然のことのように思われるからだ。

当たり前だが、育児は周囲のサポートを必要とする。

育休を取れば仕事に穴を開けてしまう。産まれた後も時短勤務で十分な戦力にはなりにくい。その「穴」を埋めるのは同僚や上司だ。そうした周囲のサポートに最低限の「感謝」と「配慮」を示す。この程度のマナーは新卒1年目の新人だって心得ているはずだ。

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実の親や配偶者であっても例外ではない。都市部の共働き世帯は育児負担を祖父母に肩代わりさせる家庭が多いが、それを当然視せずたまにはデパ地下で良い茶葉のひとつも買ってくるのが普通の感覚だ。

夫に対しても「私は大変なんだ」とヒスり散らかすだけではなく「お願いは時間を区切って具体的に」「手伝ってもらったことにダメ出しはしない」などの配慮を見せた方が家庭は上手く回るに決まっている。

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「炎上」の起点となったハンドブックのページは人間社会で生きる上であまりに当たり前のことを要求しているに過ぎない。この内容に批判が殺到するあたり、現代の絶対権力者である「女」たちはますます横暴に、狭量に、傲慢になっていることがわかる。

そもそも論だが、仕事と育児の両立は「よくばり」に他ならない。

ハンドブックへの反論として

・家事育児と仕事の両立の何がよくばりなんだろう?
・女性が育児と仕事を両立するのは「よくばり」になるの?
・男性は両立しないのが普通なの?

と言った反発が寄せられているようだが、「仕事と育児の両立」は女性に限れば「よくばり」以外の何物でもない。それが純然たる事実だ。

なぜかと言えば、

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