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能登半島地震における旅館の記録㉛

3月26日 保育園へ看護師さんと仕事の引継ぎ
私が保育園でさせて頂く事は、園児や職員の体調管理や健康管理。消毒液の作成や、備品の管理。0歳~1歳児保育の手伝い。ほけんだよりの作成。感染症対策。子供達の検診の準備。なかなかやる事があるぞ。大丈夫か私…。園長先生に【子供の名前を覚えるのが最初は大変かも】と言われた。きた~!子供の名前か!最近の子供の名前は難しいぞ。子供の名前を間違えたら一気に嫌われる!小学生とは違って名札を付けていないのでこれは大変だ。

4月1日 若女将・保育園初出勤
初日、案の定子供達に泣かれる。誰このおばさん…。怖いよ~。そりゃあ泣くよね。娘に【ママ、また子守りが出来るね】と言われたけれど…いやいや完全に孫守りだわ。体力がかなり必要だぞ。さっそく年間行事の確認。内科検診に歯科検診、視力検査に毎月の子供達の行事。新たな世界を私も体験する事になりそうだ。不安もあるが、もう楽しんでやろう!と決めた。

七尾市の子供達はお茶作法という時間がある
娘たちもお抹茶を立ててくれました

4月6日 のと鉄道全線で3ヶ月ぶりに再開
のと鉄道の社長さん、泣いてらした。私はのと鉄道が好きである。能登に来て、のと鉄道をはじめて見た時に、おもちゃみたいで可愛い!と思った。初めて乗った時に、手動で扉を開ける事に驚いた。穴水の海沿いを走るのと鉄道は本当に絵になる。のと鉄道が走っているのを見ると、少しずつでも復興に向けて進んでいるように感じる。地元の人や学生さんが乗っている姿を見かけると思わず手を振りたくなってしまう。

2016.04.09 のと鉄道さんと娘
写真載せてる事バレたら、やめて!と娘に怒られそう…

4月10日 支援者受け入れの為スタッフで片付け
多田屋では早ければ、5月以降に支援者の受け入れが出来ればと思っている。そのために、スタッフにボランティアで片付けを呼び掛けたところ、たくさんのスタッフが集まってくれた。ましてや自分の貴重な休みを返上して駆けつけて来てくれた多田屋卒業生もいた。ただ、支援者受け入れには課題も多く、館内のお湯が出ない為、お湯を出す工事をしなくてはならない。支援者の方々にも少しでも快適に過ごして頂きたいと思っているのだが、一番は安全に過ごして頂ける事である。

4月10日の時点でこの状態

調理場のスタッフが、多田屋に眠っている食材を使って皆にお弁当を作ってくれた。本当にこういう事が大切だと思う。月に数時間ではあるけれど、スタッフ皆で顔を合わせて、一緒に汗をかく。そして同じものを食べる。

調理場さんが用意してくれたお弁当
業者さんも年次設備点検に来て下さった
 点検出来る、点検して頂けるだけでも奇跡だと思います

4月15日 保育園お手伝い8日目
「多田ちぇんちぇい(先生)」と子供達が呼んでくれた。私が顔を見せると1歳の園児でさえ、抱っこ~と手を伸ばしてくれるようになった。なんて可愛いんだ。お散歩に行く園児たちを玄関でお見送りする時に、ある子の靴が歩く度にピカピカ光るので、「素敵な靴だね☆彡」と言ったら、私の周りに園児が集まってくるではないか。「これ見て!」「先生!僕の!私の!」と見て見て攻撃が始まった。担任の先生たちは、「さぁ!お友達と手をつないでくださ~い!」なかなか出発出来ないでいる。し、しまった…。褒めるにもタイミングと、場所が大切。とても勉強になった出来事だった。

続く…

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