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能登半島地震における旅館の記録㊿

50回目の投稿にどんな記事を書こうかずっと考えていた。サプライズ的な事が起こるかもしれない、旅館として、皆さんに嬉しい報告ができるかもしれないと信じていた。でも、その真逆の事が起きてしまった…。ニュースで流れる映像を見たくない、現実を直視出来ない。地震の時は能登の被害状況や皆の安否が気になって、ニュースをずっと見ていたけれど、今回は見たくない。知りたくない、考えたくない、そんな感じだ。

9月21日 輪島市と珠洲市、能登町に大雨の特別警報を発表
地震で地盤が緩んでいる上に、観測史上最大の大雨。なんで能登が…。なんで能登の人達がやっと前を向き始めた時にこんな事が…。能登のあちこちでこれからみんなのリーダーになり、復興の為に引っ張ってくれようとしていた人達までの心が折れた…。放心状態。何も考えたくない…。能登の人は我慢強いと言われるけれど、我慢にも限界がある。今は言葉が出ない。社長ですら、復興…。復興なんて言っていいのか…と辛そうだった。

9月23日 北國新聞より

9月22日 4:20 緊急災害速報のアラームが鳴る
和倉の事を心配してくれる方々からも沢山連絡が入った。和倉も被害が出た所もあるけれど、珠洲・輪島・能登町の被害とは比べ物にならない。本当に言葉が出ない。今はそっとしておいて欲しいと言うのが精一杯かもしれない。

9月23日 北陸中日新聞より

大の里優勝 新大関へ
ただ、今回の災害の中で活躍してくれている郷土力士の大の里の優勝は本当に嬉しい。相撲に興味がなかった私でさえ、震災後、何か応援したりパワーをもらいたくて、大の里の取り組みを見るようになった。今一番会いたい人と言われたら大の里だ。これが推し活というやつなのか。

9月23日 8時30分 多田屋からの風景

いつも明るい多田屋朝のミーティングでも、皆んなの表情も硬く口が重い…。朝から多田屋上空でヘリコプターの音がする。奥能登に行くのだろう。またあの日と一緒だ…。

続く…


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