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わかおの日記277

何はともあれ新学期なので、キャンパスに行った。もう三田も3年目なので新鮮味はない。いつもと同じ駅。いつもと同じスーツの大人たち。いつもと同じ大学前の信号の混雑。

今日は彼女と一緒ではないため、童貞感丸出しでキャンパスを歩いていると、いつにもまして居心地が悪い。何だこの違和感は。

おれは最高学年なのだぞ!!1番偉いのだぞ!!チミたちのように週に4日も大学に通わなくて良い身分なのだぞ!!と思いながら、周りを見渡していると、違和感の正体がわかってきた。

春だからなのだろう。男も女もみな発情しているのだ。

もう顔面からしておかしい。秋や冬にはあんなにシケた面をしていた連中が、揃いも揃ってみな「うっふ~ん。おせっせしましょ❤」といった表情をしていた。

男の顔はカウパーでツルツルにコーティングされ、女はみな物欲しそうに口を半開きにしていた。男子便所の小便器にマッシュヘアーの男が5人連続で並んでいたときには、流石に自分の正気を疑い頬をつねったが夢ではなく、確かにそこには亀頭が10個あった。

元来日陰者揃いであったはずの国文学専攻も様子がおかしくなっていて、新たに入ってきた下級生がみな「性交経験アリ」の雰囲気を纏っていた。「異性との粘膜接触の経験がないこと」が専攻に入る条件だったはずなのに。

どうしてこの学校はこんなに腑抜けてしまったのか。教室に充満する発情した大学生たちの臭気で気を失いそうだ。たすk





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