見出し画像

わかおの日記236

お恥ずかしいことにぼくは立派な俗物なので、ここ最近の関心事といえば、ヒロスエが書いた恋文の全文を早く読みたいということばかりである。結局今日は何となく週刊文春を買いそびれてしまったのだが、早く読みたくて仕方がない。Twitterなどで流れてくる断片的なフレーズだけでも実に胸を打たれる。あれこそが令和の名文といえるだろう。「あちらにいる鬼」という映画を観たときに、トヨエツ演じる女癖の悪い文豪に不倫されまくっている奥さんの役をヒロスエが演じていたが、あれはいったいどういうつもりでやっていたのかと思う。そういうことも考えるだけでたまらない気持ちになる。

そんな俗物が書いた小説がまたもや授業でちょろっと読まれて、とてもお下劣な内容のそれを芥川賞作家の荻野アンナ先生が淡々と読み上げるという地獄のような時間が流れた。教室内の何人かは笑いを堪えるのに必死で、それが嬉しくもあり恥ずかしくもあった。「太宰がこれを読んだらどう思うでしょうか」「これを最後までやりきった努力はある意味素晴らしいです」「提出されたもののなかには、こういうものもあったということです」などとお褒めの言葉をいただき鼻高々だった。本当に自分は下品な人間なのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?