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わかおの日記194

少し早く田町駅に着いたので、一服してからベンチに座り彼女を待っていた。5分ほど待つと遠くから三つ編みの彼女が、白くてモチモチのほっぺたを揺らしながら(実際そんなに揺れてないけど)歩いてきた。「これこれ〜!!」と思いながらぼくは「おはよ」と挨拶をした。

彼女は怪訝そうな表情でぼくの格好を下から上まで眺め回したあと一言「……ちょっと太った?」と言い放った。確かにぼくは少し太ったような気がする。若干顎に肉がついた。

一瞬ショックだったが、冷静に考えればぼくがちょっと太ったのはここ数日間の不摂生のせいなので、同じ食生活をしている彼女が太っていないわけがないのだ。心なし彼女のほっぺたも、いつもよりモチモチしているような気がした。幸せだと思った。

放課後会うつもりはなかったのだが、授業が終わり友達にも振られてしまって、彼女も暇だというので、またもや田町で待ち合わせをした。ぼくが4限の授業を受けている間、彼女はどこかのカフェで優雅にカヌレを食べていたらしく、ぼくにもカヌレを買ってきてくれた。

ニコニコしながらカヌレの袋を持ってこちらまで歩いてくる彼女のほっぺたは、朝と寸分違わずモチモチであった。ほんとうに可愛い生き物だと思った。初めて食べたカヌレもモチモチでうまかった。明日は中華に行こうと思う。

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