見出し画像

机上のレシピからの脱却 フィナンシェ編

早くも。試してみずにはいられなかった。
机上の空論でとどめておくつもりが、実際、食してみたくなったのである。
お試しなので、分量は少なめでつくってみた。
卵Mサイズの卵白はおおよそ30gなので、それに合わせて算出した。

 薄力粉 12g
 アーモンドプードル 12g
 グラニュー糖 30g
 卵白 30g
 バター 30g

これだけ少ないと逆に作りづらいものである。
まずは焦がしバターをつくるのに鍋を火にかけて焦がすのだが、鍋にひっついてかさが減ってしまいそうだった。
くわえて焦げカスが出てくるのでそれをこさなくてはならない。
材料をあわせてみたら、生地が少し硬いような気もしたが、とにかく型に流す。

フィナンシェ用の型がないのでマドレーヌ用の型で代用した。
事前に水を入れて測ってみたら、1個の容積が30mlと小さめであった。
生地をスプーンで入れると、ちょうど4個分になった。
なので、この分量だと110~120mlの生地ができるということになるだろう。
200℃13分焼いた。
焼き色が濃い。小さいのでちょっと焼きすぎてしまっただろうか。

さぁ。いざ、実食である。
その日に食べたら、かなりしっとり感があった。
生焼けじゃないよなと、思わず見返してしまったほどだ。
とくに型に触れていない上の部分がしっとりしている。
味は甘い。
自分はあんこやクリームの甘さには胸焼けしてしまうほうだが、この甘さはやみつきになる悪魔的な甘さだ。
焦がしバターの風味が調和して贅沢な甘さに思えてくる。

パクパクいきたいのをこらえて次の日に残しておく。
翌日はしっとりさが全体に行き渡って、こなれた感じがよい。
クッキーを作ってみてもそう思うのだが、アーモンドプードルを入れてもほとんどアーモンドの味を感じることができない。
ただ、小麦粉のグルテン形成を阻害しているので、ベーキングパウダーも入れず、これだけしっとりしていても粘りがなく軽さがある。
やはりアーモンドプードルは必須なのでしょう。
甘いのが気になるが、うん、でもこれはおいしいよ。
正解じゃないかな。

と、ここで問題に突き当たる。
わたしは今までフィナンシェと名のつくお菓子を食べたことがない。
果たしてこれは基本のレシピとなりうるのだろうか。
どこのお店のフィナンシェを食べればよいのか……。
なにをもって机上のレシピからの脱却とするかは、しばし考えることにする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?