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詩/晴れ間のない雨上がりで

無理のない体勢で
靴下を履く

無理のない間隔で
珈琲を飲む

無理のない眼差しで
ネコを撫でる

無理のない仕事着で
玄関を開ける

無理のない感覚で
空を眺め風を感じる

無理のない肯定感で
ゴミ捨て場を見送る

無理のない速度で
軽ワゴンを走らせる

無理のない動線で
コンビニに車を停める

思いもしないタイミングで
助手席に伏せた携帯が震え鳴る

無理のない視線で
鳴り止むのを待つ

無理のない俯瞰で
暮れた途方がしばし晴れる

無理のない時間で
現場へと向かう

無理のない時間配分で
作業を終える

無理のない帰宅で
きみに声をかける

無理のない返答で
きみを内科へ連れて行く

晴れ間のない雨上がりで
ほんのひとときの流れ虹を見る

根拠のない天の邪鬼で
大丈夫なんだと確信する

無理のない食材で
きみにうどんを作る

無理のない食欲で
きみはうどんを残す

無理のない暗がりで
きみに冷えピタを貼る

無理のないつもりでいたけれど
無理してるんだな

無理のない寝息で
きみが寝ている







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