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夢の終わりにみたもの

「プロのダンサーになる」 そう心に決めたのは二十歳の時のこと。 あれから10年が経ち、気づけば俺も三十歳になった。 結局俺は、二十歳の時に思い描いていたような、プロのダンサーにはなれなかった。 努力の量が足りなかったし、努力の方法も間違っていた。 それでも、自分の過程や結果に悔いはない。 三十歳を目前にして、俺は夢を諦めた。 10年という時間は「夢を諦めた」という一言では片付けられないほどに長い。 三十歳の誕生日、今日はせっかくなので、夢を追いかけた日々を振り

    • 人にやさしく

      ある朝目が覚めると顔の左半分が全く動かなくなっていた。 数日前からの高熱と、これまで経験したことのないような激しい頭痛にうなされていたが、挙げ句の果てに顔の半分が動かなくなるとは思いもよらなかった。 鏡に映る自分の顔は歪んでいて、強烈なめまいのおかげでぐるぐると世界が回っている。 近所の耳鼻科で診察を受けるとラムゼイハント症候群という病気であることが判明し、2万人に1人くらいの確率でしか発症しない、稀な病気であることがわかった。 顔の麻痺が治らない可能性もあることを告

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