カップルが異性とサシ飲みに行くか行かないか問題。

む、これは、と思ったらすぐに全部言う。私が気を付けているのは「その時言ってよ」とか「その時言えばよかったじゃん」と言われないよう、その時その時で全部伝えることである。

先日は異性と二人でご飯を食べに行くことについて。彼も私もたまに異性と二人でご飯に行くのだけど、先日それで話しをする機会があった。二人で飲んでくる、と言うと、自覚してるのかしてないのかしょんぼりした顔をしたように見えたので、飲みの後は精一杯愛情を伝えた。

あとから聞くとしょんぼりしてたのではなく、別の件でそれはどうなんだ、と思ったから顔をしかめた、とのこと。それならそれでいいのだけど。いや良くはないか。また私は人の気持ちを蔑ろにしたらしい。

自分は飲みに行く癖に、相手には飲みに行ってほしくない、というクソわがまま感情は人間の特性だと思う。私はそう思うし、彼にも確認したらうーん、まぁ、確かに、とのこと。この事実を前提に話をしないと、妥協点なんてものは見つからない。

私が一番やめてほしいと彼に思うのは、これをやったら相手が嫌がるかな、と勝手に想像して行動を自粛されることである。いや多分大事な気遣いの力なんだろうが、私にはその力が皆無なので、彼が自粛しても私は自粛しない。異性と飲みにも行きたければ行くし、彼には行ってほしくないけど私に行かせてほしいから行ってらっしゃいと言う。彼のためとは一切思わないから、彼も勝手にこちらを慮らないで欲しいのだ。君のワガママのために僕はね、と言われたら、「頼んでない」としか言えない。

どんな感情に従うことも、自分がそうしたいからそうしている、という基本スタンスを絶対に崩さない。「相手のために」と思うことは、結局相手のために何かをする自分の喜びのためだ。だから貴方のために、と言う言葉は使ったことがない。思ってないから。だからその言葉を言われると、うるせえ私のためになることは私が決めるんだよ黙ってろと思う。

特に彼は自分の感情を押し込めて相手の気持ちを察し、何も言わずに行動してくれてしまうタイプだからこそ、それを利用して「こちらが何も言わなくても分かるよね」と察してもらおうとすることは甘えであり、破綻の手前だと思っている。彼が耐えられる振り回されキャパシティより遥か上の人を振り回す力を持つ私は、ちゃんと注意を払わねば、簡単に彼は私に愛想を尽かす、それか鬱に追い込むと思う。私が。相手を気遣う力が無いことは、それくらい致命的。分かっているから、察し合いはやめて、話をしましょう、となる。

彼に異性と二人で飲み会に行くのはモヤつく気持ちがある上で、私も飲みに行きたいから君も行ってくれと思っている、ということを伝えた。彼はきっと、「異性と二人で飲みには行かないで」といったと言ったら多分自粛してくれる。でもそれは避けたかった。誰かと付き合っているというだけで地球上の約半分の人間とのサシ飲みの機会を失うのはあまりに大きい損失だと思うので、ぜひ面白い話を聞いてきてシェアしてほしいという思いがある。実際サシ飲みから帰って来たあとの話は面白い。私もシェアしたいので、その機会そのものを奪うほどの権利は私にない。そして浮気を疑うか疑わないかはこちらの問題だ。

異性と二人で飲みに行くこと問題は、めちゃくちゃ難しいと思った。二人で飲みに行ってほしくない、でも面白い話を聞いてきてほしい、あと私は飲みにいきたい、この3つの感情がある、という事実を踏まえ、どの感情から優先してほしいか、もしくは蔑ろにされると悲しいかはカップルの価値観であるので、そこを話し合った。

行かないでほしい、でもその気持ちを知ったら気持ちよく飲みに行けないだろうから言えない、というジレンマを抱えた「行ってらっしゃい」は後々爆発する不満の種になるなと思ったからどちらの気持ちも伝えてみた。くそワガママだが、これで後の「その時言ってよ!!」は防げると思ったから。

持ってる気持ちは全部伝えてこの気持ちを優先させたいですがどうでしょうか、と話をするのが一番混乱がなくて私は楽だった。不満は溜まると爆発する。これは押し込めたら爆発するやつだな、と思ったら全部言う。普通なら言わない忖度の部分も含めて言う。彼にとっては知りたくなかった感情もあるだろうと思うが言わないことのデメリットが私にとってでかすぎるので伝えた。ごめんな。

飲みに私も行きたいから「行かないでほしい」という感情が一番耐えられるなと思ったから、彼にも行かないで欲しいという意思はあまり尊重しないで飲みに行ってくれる方が忖度されるよりありがたいということを最後に伝えた。

気持ちを汲むと言うことはとても美徳だが、私にとっては半端ない高等テクニックだから、それを使わなくても二人が円滑に行く方法を考える。汲んだ気持ちが正解かは聞かないと分からない。気遣いは、私にとって耐えられないくらい疲れる。対価も払ってないのにそこまでしてもらうのも申し訳ない。

ここまで書いたが彼は「結局、自分が飲みに行きたいから俺のことも止めないってことだよね?」と言われて「そうです」と伝えたら苦笑いしていた。「これで忖度して飲み会行かないとかしない?」って聞いたら「絶対しない(笑)」と言われたので良かったと思った。彼に本音の部分が伝わる度に、何万回目かの申し訳なさに襲われるが、また上手く行かなかったらその時考えようと思う。

不憫な旦那さんに全額寄付します。