歌集『生殖の海』 2023年版
及ばぬ高き姿を願ひて
この世における現実が良かれ悪しかれそれに振り回されることなく、次元を超えたどこかに確かに存在するものごとのイデアにアクセスし、
私情を徹底的に排し、“詠みたいもの”ではなく“詠むべきもの”を“詠むべき形”で歌にする。
現実がどんなに理不尽でも、生活上の不都合や不具合がどんなに大きくとも、崇高なる我が創作物にそんなものは影響させない。
――私の人生を変えた新古今時代の歌人たちの、言語芸術としての和歌が、どのような精神で生み出されどのような矜持に支