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雑感:家庭科で金融教育?Σ(・□・;)

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 私は知識研鑽の一環で、有名無名問わず色んな方のSNS投稿を拝見したり、時には返事を貰えるわけないという前提でリプライをしてみたりしているのですが、森永康平さんのツイートの中にこういう記載がありました。

 新作本のPRという意味合いではありませんが(笑)、来年から高校家庭科で金融教育をという記載に驚きを覚えました。高校家庭科で金融教育Σ(・□・;)と。今回はこの辺について思う事を書いてみたいと思います。

1.そもそも論

 LIMOというサイトがヤフーニュースに挙げている内容を見ると、2022年からの高校家庭科と公民の新学習指導要領で株式や投資信託といった金融サービスに関する内容が導入されたとのことです。電子マネーなどのキャッシュレス決済や仮想通貨、金融商品のリスクとリターンなど、具体的な題材も取り扱います。

 私自身もこれを初めて見た時疑問しかなかったのですが、先述した内容の中には金融庁職員が学校に出向いて生徒に「出張授業」を行うのをはじめ、教材づくりや教師を対象にしたセミナーを実施して手助けをするそうです。実際、高校家庭科高校公民の学習指導要領の解説には次のように書いています。

生涯を見通した経済計画を立てるには,教育資金,住宅取得,老後の備えの他にも,事故や病気,失業などのリスクへの対応策も必要であることについて理解し,預貯金,民間保険,株式,債券,投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット,デメリット),資産形成の視点にも触れながら,生涯を見通した経済計画の重要性について理解できるようにする。(高校家庭科学習指導要領より:pp75)

金融は個人の資産形成に関係する活動だけでなく,家計や企業からの資金を様々な経済主体に投資することで資本を増加させ,生産性を高め,社会を豊かに発展させる役割を担っている。このような金融を通した経済活動の活性化の仕組みや在り方を多面的・多角的に考察,構想し,表現できるようにすることが求められている。
その際,例えば,資金に余裕のある家計が,幾つかの投資計画のうちどれを選択すればよいかを協働して考察し,評価することが考えられる。また,例えば,経済活動を活性化させるための中央銀行の金融政策はどうあるべきかを,中央銀行の政策委員会の委員になったつもりで考察,構想するなどの模擬的な活動を取り入れることも考えられる。
(高校公民学習指導要領より:pp139)

2.疑問1.普通の人だって金融は難しいのに...

 金融広報中央委員会が行った金融リテラシー調査2019年版によると、金融教育を行うべきと思うという回答は全体の約67%近くありましたが、金融教育を学校等で受ける機会はなかったと答えた人は全体の約75%,家庭では全体の約62.3%となります。昨今は老後2000万円問題をはじめとした生活に関わるお金という意味合いで、金融への興味関心が大なり小なり上がっている傾向にはありますが、大学で金融論を専攻していたとか金融業でFPを勉強したことがあるとかでもない限り、多くの人は実社会において初めて金融に触れるというケースが多いのかもしれません。

 金融庁によるサポートがあるとはいえ、付け焼刃のような知識で教育することに果たしてどのような意味があるのか?という疑問が私にはあります。

3.疑問2.細々した知識よりも前に

 2022年から運用される高校家庭科と公民の学習指導要領内における金融教育に関わる部分を読んでみた時、真っ先に思ったのは細々した知識よりも前にお金という生き物との向き合い方を教えるべきではないのか?という事です。

 投資家.藤野英人さんの著書『投資家が「お金」より大切にしていること』(以下、著書)の中で次のような事を書いています。

 上記の図は公民の教科書でも見たことがあるであろう経済主体である政府・企業・家計の図式です。家計が政府や企業に払う労働力として赤ちゃんは何もできないから1円も賃金を支払うことはできないから経済主体では無いと思いますか?。実際には赤ちゃんという存在を介在とした商品・市場(オムツや産着)があって、それで利益を得て存在している会社(企業)があるという事を考えると、赤ちゃんも立派な経済主体で生きているだけで価値があります。

 また、藤野さんは著書内で投資という行為の考え方について次のように述べています。

「投資とは、いまこの瞬間にエネルギーを投入して、未来からのお返しを頂くこと」(pp193)

 例えば24時間の内8時間を睡眠に充てていたけれど1時間減らしてそれ以外を勉強に充てるのも良しだし、1時間増やしてより万全な体調を整えるのも良しだし、あるいはお金を払って本を買って知識を獲得することもOKだし、お金を払って旅行をしてまだ見ぬ世界を知ったり英気を養ったりと。

 つまり人々が生活の中で何かを選択する時その選択を分かりやすくするツールの1つとしてお金があるという事を学ぶという意味合いで、お金という生き物との向き合い方を教えるべきではないか?と私は思います。

 金融商品関連の犯罪に巻き込まれないために教えるという側面もあるのかもしれませんが、それは消費者教育という文脈で教えれば良いのではないのか?と私は考えています。

4.最後に

 今回はこの辺で筆を置きたいと思いますが、最後に私がおぉと思った金融・経済関連のURLを貼っておきます。よろしければごさんこうにどうぞ!


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