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雑感:マウント

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 ここ10年15年もしかしたら20年以上でしょうか。誰かよりも優位に立とうとする言論の仕方をマウント取りと呼ぶようです。調べてみると次のような内容を見つけました。(引用: https://numan.tokyo/words/Dwo5r )

「マウント」とは、人類を含めた哺乳類が、相手の上に向かい合った状態で馬乗りになる、乗りかかる行為を指す。
登る、乗る、またがるを意味する“mount”が由来。
マウントを取る行為は、自分の優位性をアピールすることを意味する。
その延長で、容姿や仕事、お金や恋愛について話す様々な場面で、互いに“格付け”し合い、相手よりも上に立とうとする言動や行為の全般を表す。

 つまり、他者よりも格が上であることを誇示したいがための手法みたいです。今回は、マウントをキーワードに書いてみたいと思います。

1.心の中で想っている内は良いんだよ。

 日本国憲法には19条で規定されている思想・良心の自由と紐づけて内心の自由が保障されていると学説では言われています。ここでいう内心は学説上大きく二つに分かれていて、1つは「内心における見方ないし考え方」すべて、もう1つは前者の内信仰に準ずべき世界観,人生観など個人の人格形成の核心をなすものです。(参照:『憲法1 人権 第6版』渋谷 秀樹  (著), 赤坂 正 (著) pp132)

 つまり自分自身が考える事柄について心の内で想っている分には全然良いんです。だけど、往々にしてその心の内を吐き出して炎上(わざとさせている感もありますが)してしまうケースが多分にあります。

2.有名人

 最近ですとメンタリストDaiGo氏の炎上動画が話題ですね。NHK配信のニュースによると、DaiGo氏は今月(8月)7日にユーチューブで配信した動画の中で「生活保護の人たちに食わせる金があるんだったら、猫を救ってほしいと僕は思う」とか「自分にとって必要もない命は軽い。だからホームレスの命はどうでもいい。正直、邪魔だし、プラスにならない」などと発言しました。その後毎日新聞配信の記事によると、DaiGo氏は8月13日夜のライブ配信で「一生懸命、社会復帰を目指して生活保護を受けながら頑張っている人、支援する人がいる。さすがにあの言い方はよくなかった。差別的であるし、これは反省ということで謝罪させていただきます。大変申し訳ございませんでした」と話した。との事です。

 一部ネット上ではDaiGo氏は優生思想の持ち主では?と言われています。優生思想の基となっていると言われる優生学は、「人類の遺伝的素質を改善することを目的とし,悪質の遺伝的形質を淘汰し,優良なものを保存することを研究する学問」だそうです。(引用: https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/rehab/r170/r170_glossary.html )昨今の生活保護事情を切り取ったニュースの中には、働くより生活保護を受け取る方がマシみたいな感じに、生活保護受給者は生活保護の受給に甘んじていて自立しようと努力をせず怠けているのではないか?と考える機雷があります。これを優生思想と紐づけて考えるのであれば、DaiGo氏本人がそういう考えを持っているのであればそれはそれで憲法が保障する内心の自由に即して、心の中で想う分には全然問題はありません。しかしYouTubeのチャンネル登録者数が約240万人で著書も多数出していて一定のファンがいて、メディアへの影響力が多少たりともある人がそれを発することのリスクを当人は考えていなかったんだろうというのがよく分かります。恐らくは本人のファン(信者とも言うべきか?)向けに、教祖様の話を聞け的にマウントを取る形で発信したんだろうと思いますが、結果としてそれが多方面から非難の嵐となってしまいました。

 自業自得と言ってしまえばそれまでですが、なぜ社会保障制度として法定化されている制度を介してマウントを取りに行こうと思ったのでしょうか?。あの界隈の人達が考えることは分かりません。

3.身近なマウント

 日常においてもマウントを取りたがる人っていますよね。

 例えば上司と部下の関係性。上司が昔部下だった頃例えば高度経済成長期。あの頃はどれだけ理不尽な事を受けたとしても、結果を出しやすい環境で結果を出せばある程度の出世が望めました。だからそういう人もいるんだと割り切ることができたと思います。しかし高度経済成長期が終焉を迎え失われた何十年と言われた頃を迎えた低成長期下においては、理不尽さを我慢することでの見返りが望めなくなっていきました。そうすると、昔ながらの暴力性に依拠して部下へマウントを取ろうとする上司の態度は次第に会社全体において埋没してき、それが今はハラスメントという言葉を介してあの人ヤバくね?と言われるようになっていきました。(参照:『クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち』松崎 一葉  (著) pp122~125)

 上司と部下の関係性だけでなく、ムラ社会と呼ばれるような閉鎖的コミュニティ内におけるマウント取りや学校での友好関係から派生するマウント取り、就活の場においては面接官と就活生の力関係から派生するマウント取り等、マウントを取るという行為は有名人の行動だけでなく日常生活においてもそのような種はありそうな気がします。

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