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雑感:政治(選挙)と年齢(若さ)

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 先般行われました衆議院議員選挙において、岐阜5区から立候補した立憲民主党の今井瑠々候補(以下、今井候補)を取り上げた地元テレビ局のYouTube公式アカウントに挙がったニュース動画です。今回の立候補者の中では最年少で、ネット上では25歳で立候補した事に称賛の声が挙がる一方、若いというキーワードで挑む未経験新人には限界があることを示した結果だと思います。今回は、政治(選挙)と年齢をキーワードに書いてみたいと思います。

1.地方政治と年齢

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 上記画像は、総務省が全国都道府県議会議長会「都道府県議会提要」(平成27年7月1日現在)全国市議会議長会「市議会議員の属性に関する調」(令和元年7月1日現在)全国町村議会議長会「第64回町村議会実態調査結果の概要」(平成30年7月1日現在)を基に作成した年齢別のグラフになります。今回立候補した今井候補の年齢25歳を含む30歳未満のゾーンは1%もいません。そして、30歳以上40歳未満のゾーンも都道府県議会や市議会で10%以下・町村議会については1%代となっています。

 しかし地方議会の議員選挙はよっぽどのことがなければ倍率が高くなるわけではないので、そこで地域を見つめて地域から課題を抽出していくという研鑽を踏まえながら選挙を学ぶという事も一手なのではないか?と私は思います。11月8日配信の朝日新聞の記事にて、今井候補は今回の衆院選で、20代の候補者はごくわずかでした。若くして選挙に出るのは難しいのでしょうか。という質問に対して次のように答えています。

「そもそも、若い世代には選挙に出るために必要なお金、人手、ノウハウがありません。私もそうでした。よく言われたのは『選挙に出たいのに、選挙を手伝ったこともないのか』ということ。政治を志しているのに、選挙や政治家秘書の経験がないことに対して、各方面から批判されて、すごくつらかった。私は選挙の知識よりも、『こんな社会をつくりたい、これはおかしい』という思いがある方が絶対に大切だと思っています。でも、『素人だけどやります』と言うと、批判を受けてしまうのです」

 勿論こういう社会を作りたいという理想を掲げる事は大切ですが、政治を志しているのに、選挙や政治家秘書の経験がないことに対して、各方面から批判されて、すごくつらかったという批判の背景に作りたい社会という理想の理由としてどういう視座から見たものなのか?や当人のどういう原体験からきてるのか?という部分が大切だという事です。

 実際、私が面識があって過去にコミュニケーションを図ったり接点を持ったことのある地方議会の若い政治家の中には、その地域出身や大学時代をその地で過ごした経験からという想いを持って政治活動に臨まれている人を知っています。勿論選挙に当選して政治家にならないと政治という文脈において発言力に乏しいのは確かだけど、作り上げたい社会・未来の根っこにある視座や原体験が太くないとその発言はただの空虚な発言だと私は思います。

2.単に若けりゃ良いという話ではない

 政治の世界では昨今クオーター制というキーワードが話題になっています。クオーター制は簡単に言うと一定の割合を特定のゾーンの人達が占めるように努力するという仕組みで、日本政治の世界においては女性の政治進出の文脈でクオーター制が議論されていて、これは第5次男女共同参画基本計画にも記載されています。これと同じように叫ばれているのは年齢とりわけ若者です。

 前章で紹介しました朝日新聞において、今井候補は自分に続いて、若い人がどんどん選挙に出てほしいと言い続けています。どんなサポートがあればいいでしょうか。という質問に対して次のように答えています。

「それぞれの主張に応じて、いろいろな党から出てほしいですね。いま、国会に新しい声を届けること、若者や女性など、新しい人を送り込むことが求められていると思います。こうした政治家を増やすためにできることはいろいろあります。一番はやいのは、比例の拘束名簿で上位に若者や女性を置くこと。確実に増えます」

 理想論として言う事は分からなくはありません。しかし、既存政党には大方利益団体と紐づいています。政治学の教科書によると、利益団体は政党に票や政治資金を提供することで、見返りとして政党を介して公共政策に大きな影響を与えています。(参照:『政治学の第一歩』砂原 庸介 , 稗田 健志 , 多湖 淳 (著) pp81)政党の候補者選定の意思決定プロセスに若者や女性といった昨今の政治の場面において軽視されがちなゾーンに目を向ける事が出来るのかな?という疑問を感じます。

3.終わりに

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 上記画像は、内閣府が発表している令和元年版子供・若者白書内の特集1 日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~にて、「今の自国の政治にどのくらい関心がありますか」という質問に対しての回答正解別です。諸外国に比べて自国の政治に対する関心の低さを考えるとその打開策として自ら立候補しようとする熱意・想いはとても大切だけど、その熱意・想いに生える幹がどれだけ太いかという事が立候補する若者には求められていると私は思います。

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