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雑感:しばきあげ自己責任

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 ネット言論の中には時より自己責任論が湧きおこることがあります。

 上記動画は、その一例でもあるとあるお笑い芸人の母親が生活保護を受給していたというニュースの記者会見動画です。詳しくは記載しませんが、このお笑い芸人の母親は当人が売れ出してそれ相応に収入がでてきたけれど、それでも生活保護を受給していたという事実を突っ込まれました。生活保護法では、申請者に扶養義務者がいてその人に連絡が行き、その人が扶養義務の範囲内から申請者を支える事をまずは優先するという規定になっています。このように生活保護を巡る不正受給や少なからずありますが、割合としては1%いくかいかないかのレベルという統計データもあります。しかし、こういう有名人の不祥事を持ち出して徹底的にしばきあげた後に待ち構えているのは、生活保護を申請するというのは恥だという意識つまり自己責任という見えない空気・論理が組み込まれました。今回はこれについて書いてみたいと思います。

1.キラキラキャリアが放つ言葉

 一般的に、自己責任論をかます人達のキャリアは往々にしてキラキラしたキャリアを歩んでいる人が多いです。記憶に新しいところで言うと、メンタリストのDaiGo氏がホームレスを侮蔑する発言だと思いますが、DaiGo氏の著書はビジネス界隈で重宝する方も少なからずいるようで、発する言葉に傾倒する人も少なからずいるかもしれません。こういう感じにキラキラしたキャリアを歩んできた人の発言には、往々にしてその知名度を履き違えた自己責任論と解釈できる発言が多く、中には弱者をしばくような発言も少なからずあります。

2.自己責任論×ブラック企業

 冒頭では著名人の生活保護問題についてピックアップしましたが、私がこの自己責任論を考える上で最も印象に残っているのは自己責任論×ブラック企業の図式です。

 上記ツイートはビジネス界隈では傾倒する方が多い、田端信太朗氏の2018年のツイートです。このツイートには賛否両論ありましたが、中には田端氏のツイートのように嫌なら行かなきゃいいじゃんという人や自分で取りうることができる防衛手段を持てばいいじゃんという人がいます。しかし、その選択をとりうることができる人は果たしてどれだけいるでしょうか?。

 今野晴貴氏の著書『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』は、ブラック企業の実態を知る上では有益な入門書で、その中で描かれているブラック企業の実態の一例には、「新卒=コスト」・「人間としておかしい」みたいに、新卒で入社するというのはコストだ!つまり「コスト=悪」という価値観を植え付けさせたり、ミーティングという手法を使って「使えない」等の叱責をしまっくて退職に追い込む等多岐に渡っています。(参照:pp28~31,35~37)このような労務管理の手法はふたを開けてみないと分からない側面は多く、次第に精神が蝕まれて自分が今どういう状況なのか分からなくなってしまうのがブラック企業の実態です。だけど、この肌感覚は田端氏のようなゴリゴリビジネスクラスタの人達には響きにくく、それが自己責任論×ブラック企業という構図を生んでしまうのではないかと思います。

3.キラキラキャリアの人達の言動は話半分でまずは受け止めてみよう

 一般的なキラキラキャリアを歩んできた人達のキャリアで多いのがリクルートだと思いますが、常見陽平氏は著書でリクルートOB・OG(通称:元リク)の人達が本を出すタイプの1つに、自身のノウハウは含めつつも精神論やリクルート時代の武勇伝をあたかも自分がやったと語るタイプの本があるそうだけど、リクルートというネームバリューが信頼の担保となって玉石混交で売名チックで流通されていると指摘しています。(『リクルートという幻想』pp71~72)

 蓋を開けてみれば、これって弱者をしばいているような論調なんじゃね?というのも少なからずありますので、キラキラキャリアの人達が発する言葉は話半分でまずは受け止めてみるというのが自己責任論を上手くかわしていく上での第一歩だと私は思います。

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