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雑感&感想『最終列車』原 武史 (著)

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 今回は政治思想史が専門で、鉄道や空間についての著書もある原武史先生(以下、原先生)の著書『最終列車』の感想と感じた事を書いてみます。

1.本の構成・お召列車

 本書を大きく分けると、原先生が政治思想史の中でも天皇制の歴史をメインに研究されていた方であって、天皇家と鉄道の関わりについての歴史から始まり、街・空間における鉄道とのかかわり方、鉄道本来の意味、原先生ご自身の鉄道とのかかわり方・歴史、そしてコロナ渦と鉄道です。中でも、最初に興味深いなと思ったのはお召列車の歴史です。

 上記の動画のような列車をお召列車と呼ぶのですが、昭和天皇・香淳皇后当時は数は少ないにせよ乗る機会はあったそうですが、現上皇陛下・上皇后陛下が皇太子・皇太子妃だった頃は普通の人が乗る特急や急行にも乗ることがあったそうで、天皇・皇后になった後はこれが新幹線に変わったという流れを見ると、皇室1つとっても鉄道が歴史の流れで色んな顔を持っているんだなと思いました。

2.鉄道が運ぶのは人?想い出?etc

 首都圏エリア限定の話ではありますが、鉄道による通勤に改革が走ったのが2018年です。

https://www.odakyu.jp/romancecar/morningway/


https://www.seiburailway.jp/railway/reservedtrain/haijimaliner/


https://www.keio.co.jp/zasekishitei/

 小田急の「ホームウェイ」・東京メトロ千代田線内を通る「メトロホームウェイ」,西武の「拝島ライナー」や東京メトロ有楽町線内も通る「S-TRAIN」,京王の「京王ライナー」といった私鉄に登場した通勤時間帯の優等列車に限らず、JRにおいても高崎と上野を結ぶ特急「スワローあかぎ」や東京都と八王子や青梅を結ぶ特急「はちおうじ」や特急「おうめ」,新宿~小田原間に特急「湘南」ができるといったように、お金を払う事で通勤を便利にする流れがコロナでより一層加速した一方で、お金を払う事で列車を観光ツールに活かす動きもあります。

https://www.cruisetrain-sevenstars.jp/

 ここ近年で言うと、JR九州が企画したクルーズトレイン「ななつ星」に始まり、JR東日本が企画した「TRAIN SUITE 四季島」,JR西日本が企画した「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」といった豪華列車の流れは、停車駅は採算の見込みがあり不採算の見込まれた駅との二極化をすすめていくのではないかと原先生が指摘していて、JRが国営企業(国鉄)から民営化されて営利団体となった性の一面もあるのと同時に、鉄道の活かし方は戦略1つなんだなというのを感じました。


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