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雑感:食べログ裁判恐るべしΣ(・□・;)

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 私もこのニュースを見るまで知らなかったのですが、先日東京地裁で食べログを運営するカカクコム(以下、食べログ)を相手にチェーン店だから減点したというアルゴリズムについて焼肉チェーン店側が訴えた裁判で、チェーン店側が大方の勝訴となったニュースです。私自身はコロナ前も含めて普段から外食の頻度が無かったため、食べログのお世話になったことはありませんが独自のアルゴリズムがあったんだという驚きでしたΣ(・□・;)。今回はこれをネタにして書いてみたいと思います。

1.裁判の争点

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 上記画像は6月16日付毎日新聞配信の記事内画像の引用です。今回の裁判でメインの争点になっているのは、画像内の中段にある2019年5月に食べログ側がチェーン店の評価を一律に下げるアルゴリズムを事業者側(「韓流村」)に伝えず勝手に行ったのは独占禁止法が禁止している「優越的地位の乱用」違反するのでは?という点で、東京地裁はこれを認めました。公正取引委員会のホームページによると、「優越的地位の乱用」について以下のように説明されています。

優越的地位の濫用とは,自己の取引上の地位が相手方に優越している一方の当事者が,取引の相手方に対し,その地位を利用して,正常な商慣習に照らし不当に不利益を与える行為のことです。この行為は,独占禁止法により,不公正な取引方法の一類型として禁止されています。

 食べログ側は点数をつける行為は独占禁止法が規制対象とする『取引』に当たらず、『変更』も一般消費者の利益に資する目的と反論したそうですが東京地裁はこれを認めなかったということになります(参照:  https://news.yahoo.co.jp/articles/fad02ce0a8f4b8cbf00b538a716a2414f0099da3 )。

2.口コミがもたらす意味

 今回の裁判で槍玉に挙がった食べログに限らず、近年様々な業界業種において口コミという形を介して商材,サービスの良し悪しを判断してもらう材料として提供する媒体は数多くあります。そして、この口コミは媒体側の使い方やアプローチ方法を間違えると外側(媒体を利用する一般消費者)に対してポジティブな印象・ネガティブな印象どちらにも刷り込ませることができる同調圧力を発生させる装置にも成り得る事が、今回の裁判で可視化されたような印象を持ちます。

 太田肇氏が著書で閉鎖的な組織では、いわゆる内部最適が追及され、そこから特殊利益が発生する(参照: 『同調圧力の正体』pp38)と述べていますが、媒体運営側とユーザーの事業者側との間でブラックボックスにする要素を生み出すという事は媒体の秩序を守るという側面もある一方で、例えば結びつきの強い企業からの圧力があって見透かされないようにアルゴリズムを変えてそのまま放置したという事も見て取れる可能性があると私は思います。6月17日配信の日刊ゲンダイデジタルの記事によると、食べログの計算式「アルゴリズム」が変更された19年5月、「韓流村」が運営する21店舗の評価点(5点満点)が平均で約0.2ポイント下落。最大0.45ポイント下がった店舗もあった。それにより、食べログ経由の来店客が1カ月あたり5000人以上減ったとのことで、口コミ・評価がもたらす影響が例え一般消費者の便宜に資するためとはいえ公益性を帯びている事を肝に銘じなければいけないと私は思いました。

3.マーケティング

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 少々細かくて見ずらいかもしれませんが、上記画像はインターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズが、国内の20歳以上の男女28,164人を対象に、新型コロナウイルス感染拡大後の飲食店選びに関する消費者動向変化をアンケート調査した結果の中で、飲食店選びのための情報収集媒体についての結果となります( https://www.valuesccg.com/news/20211108-3627/ )。1人で,友人と,恋人と,家族と、どのジャンルにおいても食べログが1位に来ているように、食べログが飲食店の選択に際してそれ相応の市民権を獲得しているのがよく分かるし、小規模の飲食店事業者にとって集客のツールとして手っ取り早いというのが見て取れます。しかし、今回の裁判を契機に飲食店側が食べログに頼らず独自の集客マーケティングに舵を切る可能性があるのではないか?と私は見ています。そこは今後の展開として見てみたいと思います。

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