雑感:盛者必衰?~経済・社会が及ぼす力~

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 私も火垂るの墓は知っていたので、そこで「サクマ式ドロップス」がでていたのは覚えていました。その「サクマ式ドロップス」を製造している佐久間製菓が自主廃業を決断したというニュースは何気に衝撃を覚えました。今回はこれを切り口にして書いてみたいと思います。

1.経済・社会に泣かされるの巻

 東京商工リサーチ発表の記事によると、今回佐久間製菓が自主廃業を決断した理由は以下の通りだそうです。
「廃業のお知らせ」によると、廃業日は2023年1月20日。廃業の理由は、新型コロナの影響による販売減や原材料、エネルギー価格の高騰、人員確保の問題などをあげている。
 如実に表れていますね。原材料・エネルギー価格の高騰,新型コロナの影響。実際帝国データバンク発表のデータによると、新型コロナウイルス関連の倒産は2022年11月10日時点の累計で全国4476件判明、また帝国データバンク発表のデータによると、円安の影響による倒産が今年1月~10月までの間に21件あったそうです。

https://www.tdb.co.jp/tosan/covid19/index.html


https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p221103.pdf

 原材料・エネルギー価格の高騰は、円安だけでなく現下のロシアとウクライナの戦争から生じる危機も要因としては考えられるので、一概に円安が悪いとは断言しきれません。しかし、帝国データバンクが発表した「円安倒産」動向調査(2022 年 10 月)の中で紹介されていた事例は水産卸売業と飲食店で、いずれも円安下の最中で例えば海外に活路を見出そうにも中小企業で資金力が無かったという可能性も考えられることを想うと、現下の円安がアベノミクスが思い描いた形にまったくいかずに苦しむ中小企業が増えているというのが分かります。

2.不祥事の巻


 一方、企業が廃業や経営の危機に瀕する状況は自らが犯した不祥事を起因することも少なからずあります。その1つとしては、「ブラック企業」という言葉として定着した法令を守らない悪質な労働環境の企業ですが、今回はそこに触れず今般話題になっているこの企業に触れてみます。

 共同通信の記事によると、回転ずし大手「スシロー」を運営するフード&ライフカンパニーズが4日発表した2022年9月期連結決算は、純利益が前期比72.6%減の36億円だったそうです。円安による食材調達コスト上昇に加え、すしネタの在庫がない状態で広告を続けるなどの不祥事が響いたとのことで、水留浩一社長は決算説明会で「できるだけ売り上げを落としたくないという思いがあった」と釈明したそうです。
 回転寿司をはじめとした外食チェーン店における競争戦略をマイケル・E・ポーターの理論に落とし込んで考えてみると、多くは低コストでターゲット層が広いコストリーダーシップ戦略と独自性があってターゲット層が広い差別化戦略をとります(参照:『経営戦略論入門 経営学の誕生から新・日本型経営まで波頭亮 (著)pp48~53)。しかし、決算説明会で社長が釈明として語った「できるだけ売り上げを落としたくないという思いがあった」が、現場と経営層と上手くリンクできていなかった結果として、減益となってしまうだけの結果を招いてしまったことは事実で、円安によるコスト高だけとは言い難い現状があるのも事実です。

3.おわりに

 よく、成り上がり系のワンマン社長とかで俺様の言うやり方が正しいというようなマウントを取りたがる人っていうのも少なからずいます。しかし、きちっと精査をしないとただの独りよがりな自己満足となって、時に会社をピンチに陥れてしまう要因となり得る可能性があります。
 また、時として経済・社会は時として局面を変えるのが困難な程の吹雪を吹かせる事もあります。タリーズコーヒーを日本で展開した松田公太氏が著書に記していた1号店の物件が決まった後のコーヒー豆の輸入や海外のアイスクリームを日本に持ってくる際の保存料、コーヒーカップに使われる塗料といったように海外ベースの店舗を日本で展開する際に感じたという輸入障壁のように、自助努力が介入しにくい局面もあります。そう考えると、ビジネスの隆盛や衰退を盛者必衰という言葉1単語で表すのは難しいなぁと私は思います。皆さんはどうですか?


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