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【No.7 体幹の回旋筋力が強くて筋横断面積が大きい競技とは?】


※今回のnoteでは男性における競技間差についてのみ紹介しています。

<背的・目的>
体幹の回旋動作は多くのスポーツ競技に含まれており、競技において高いパフォーマンスを発揮するためには体幹の回旋筋力、パワーが重要な要素の一つになると考えられているが、体幹の筋横断面積、回旋筋力における競技間差については明らかになっていない。この研究では、男性一流スポーツ選手を対象として体幹の筋横断面積と等速性回旋筋力を競技間で比較した。

<方法>
対象者:各競技の一流選手(男性255名)

表1 対象者の内訳

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・測定および分析
等速性筋力計を用いて、体幹の回旋筋力を測定。角速度60、120、180 deg/sにおける左右回旋筋力を2~3セット測定し、左右の平均値を計算。

超電導MRI装置を用いて体幹部を撮像し、骨盤上端レベル(ヤコビー線)の画像を対象として体幹部の筋横断面積を測定。測定対象の筋は腹直筋外側腹筋群(内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋)、脊柱起立筋大腰筋腰方形筋

<結果>
・体幹部の全筋横断面積
体幹部の全筋横断面積はラグビーが最も大きかった。上位5競技と下位3競技の間では有意な差(P < 0.05)がみられたが、上位5競技間に有意な差は認められなった。


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・除脂肪体重に対する体幹部における筋横断面積の割合
体幹部における全筋横断面積を除脂肪体重で除した値はレスリングが最も大きく、下位4競技との間に有意な差(P < 0.05)がみられた。

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図2 体幹部における全筋横断面積を除脂肪体重で除した値の競技間比較

・体幹の等速性回旋筋力
角速度60 deg/sにおける等速性回旋筋力はラグビーが最も強く、他の競技との間に有意な差(P < 0.05)がみられた。


図3 角速度60 deg/sにおける等速性回旋筋力の競技間比較

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・体幹の全筋横断面積当たりの回旋筋力
体幹の全筋横断面積当たりの回旋筋力(角速度60 deg/s)はラグビーが最も強く、アイスホッケー、スノーボード、ソフトテニスとの間に有意な差(P < 0.05)がみられた。

・体幹部における筋横断面積と等速性回旋筋力の関係
体幹部における全筋横断面積と等速性回旋筋力の間には、有意な相関関係(r = 0.559~0.707、P < 0.01)が認められた。

<考察>
体幹の全筋横断面積を除脂肪体重で除した場合、絶対値で大きな値を示したラグビー、野球よりもレスリングが有意に大きかったことから、レスリングは体幹部の筋が特異的に大きくラグビー、野球は除脂肪体重の増加とともに体幹部の筋が大きくなっている、と著者は推察。この研究では、体幹の筋力強化を重点的に行っていると考えられるラグビーが、単位横断面積当たりの筋力においても最も高い値を示したことから、筋力向上、筋肥大を目的とした比較的高強度のトレーニングは、体幹においても単位横断面積当たりの筋力を向上させる可能性があるのではないか、と著者は推察。

<結論>
ラグビー選手は体幹の回旋筋力が強く、体幹部の全筋横断面積も大きい。

<文献情報>
池田祐介, 立正伸, 高橋英幸, 松尾彰文, 平野裕一:一流競技者における体幹の等速性回旋筋力と筋横断面積の種目差および性差, トレーニング科学, 2008

https://drive.google.com/drive/folders/1FsuhEWZgkISYIgC2dw7-WkNpmk4aDFJL