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【中編戯曲】地球物語

地球物語

作 松永 恭昭謀

登場人物
 父 (琴石かずお・46) 男
 かの子(琴石かの子・21) 女
 アコ (琴石アコ ・26) 女
 宇宙息子(トシカズ・?) 男
 宇宙母  女
 コロ() ?
 合田 (21) 男

 舞台設定
晩秋・未来のとある地方都市のとある一軒家。
琴石家の居間。部屋には座卓が一つ。
上手に廊下へつながる出口、下手には庭に出る縁側がある。
(上手下手は逆でも構わない)

※便宜上、宇宙人の言葉はキーで書いているが、別にほかの音声に変更してかまわない。


座卓の奥に父と犬(コロ)が並んで座っている。
その横で妹の「かの子」が腕を組んで二人を睨んでいる。

父 キッキーキッ。
コロ わんわーわん。
かの子 違う。キュッキーキ。
父 キッキーキュ。
コロ ワンワワン。
かの子 コロ、いいよできてるできてる。
コロ わん。
かの子 お父さん真面目にやってる?
父 やってるやってる。キッキーキキキ。な。
かの子 ぜんぜん違う。
コロ イシシシ。
父 おい、笑うな。
コロ わん。
かの子 もう一回、キュッキーキ。
父 キュッキーキ。
かの子 違う、キュユーキッイ。
父 さっきと違うじゃないか。
かの子 なにいってるの。はい。
父 キュユーキッイ。
かの子 全然違う。
コロ わんわんわわん。
かの子 ほらコロは全然できてる。
父 こいつワンワン言ってるだけだろ。
かの子 だから言葉はなんでもいいの。ワンワンでもキュッキュでも。
父 言葉じゃないってどうしたらいいんだ。
かの子 イメージだってイメージ。お父さんはまず言葉で考えて伝えようとしてるでしょ。それが駄目。イメージするの、自分がなにを伝えたいか。それが大事。
父 そういわれてもなぁ。そもそもこれどういう意味だよ。
かの子 そんなこともわかってなかったの?
父 説明しないとわからないだろ。
かの子 今日は雨がふりそうですが、ふっていませんね。朝のテレビでは傘マークだったので、私は傘を持ってきていましたが、役に立ちそうにありません。
父 めっちゃ長い。
かの子 お父さんはずっとラインで私をブロックしてはいませんか?って言ってるから。
父 なんでそうなる。
かの子 しらない。だから長さとかそういうのじゃないんだって、音声にこの感覚、イメージを乗せるの。それで伝わるんだって。はい、もう一回。
父 わかった。

父、立ち上がり深呼吸して、気持ちを込めていう。

父 キキュウーキュ。
かの子 だからそれだと「ラインでブロックしてませんか?」だって。

父、やや大げさにポーズを決めて、

父 キキュウンキュ。
かの子 「ラインでブロックしてませんか?」

父、もっと大げさにポーズを決めて、

父 キッキューキュ。
かの子 もう、ラインラインうるさい。
父 なぜだ、なぜそうなる。もうムリ! ムリムリムリ。オレにはムリ。

と寝転がる。

かの子 お父さんが教えろっていったんでしょ。今時宇宙共通語わからないのは困るって。
父 そういわれてもなぁ。なあ、コロ。俺たち地球人だもんなぁ。
コロ わーん。
かの子 ほら、コロだって違うって言ってるじゃない。
父 そうなのか?
コロ わん。
父 いや、コロは「そうだ」って言ってるな。
かの子 なんで分かるの。
父 そりゃお前、コロはお前が生まれる前からずっと一緒にやってきてんだ。こいつとオレは一心同犬(いっしんどうけん)ってやつだ。
コロ わん。
父 なー。
コロ わんわん。
かの子 じゃあ、今なんて言った?
父 お父様、いつもありがとうございます。大好きラブラブ。
かの子 気持ち悪い。
父 なにがだよ。
かの子 全然違うから。ご主人。現代社会においてマクロ的経済社会の役割はあらたに見直すべきではないでしょうかね。そういいました。
父 そうなのか。
コロ わん。
父 賢いのか、お前。
コロ わんわわん。
かの子 どうするの。もうやめる?
父 ちょっと休憩だ。
かの子 休憩って今、始めたばっかりでしょ。
父 ちょっと疲れたんだよ。な?
かの子 疲れてるの私のほうなんですけど。東京から帰ってきたばっかなんですけど。
父 しかたないだろ、宇宙語わかるのお前とアコだけなんだから。
かの子 お姉ちゃんは?
父 向こうのお母さん迎えに。もうタクシーでこっち向かってるって。
かの子 え、今日来るの?
父 まあな。
かの子 うっそ。きいてないんですけど。
父 あれ、そうだっけか。
かの子 っていうか今更勉強しても遅くない?
父 やらないよりましだろ。

かの子のスマホがなり、スマホをみて、立ち上がる。

かの子 ちょっと出てくる。
父 いや、もう来るぞ。
かの子 ちょっとコンビニ行くだけだから。
父 そうか。

かの子、出ていく。

父 なんだよなあ、かの子のやつあんな怒らなくても。なあ。
コロ わん。
父 今はなんだ。核ミサイルについて喋ったのか。
コロ 違います。親子というのは言葉を超えて信頼し合うものですね。といいました。
父 そうか。そうだよなぁ。宇宙平和の為に、核兵器は廃絶すべきだよな。でもな、それが難しいの。
コロ ご主人。全然だめですな。
父 お前のことはなんでもわかるよなぁ。
コロ ところで、一緒に宇宙語の勉強をお付き合いいたしましたので、約束のゴハンをいただけませんでしょうか? 特別製の一等いいやつですよ。
父 はいはい、ゴハンな。今もってくるから。

父、出ていく。
そこへ緑の血がべっとりついた男(合田)が庭に侵入してくる。
コロが不審者を吠え立てる。

コロ わんわんわん。
合田 なんだこいつ。
コロ わん!

慌てて、庭からかの子がやってくる。

かの子 こらっ、コロ。
コロ わん?
合田 かわいくねえ犬だな。
かの子 ちょっと挑発したらダメだって。
コロ わん!
合田 言葉わかんねえだろ。
かの子 紀州犬なの。結構気性激しいから。
合田 おお、怖え。
かの子 ほらあっち行って。
コロ わん。
かの子 合田くん、こっち。
合田 うん。
コロ ははぁ。なるほど、イシシシシ。

合田とかの子、奥へ去る。
かの子、戻ってきて、

かの子 友達だから。
コロ はい。
かの子 ちょっと怪我したから、私の部屋で見てあげるだけだから。
コロ はい。
かの子 お父さんとお姉ちゃんには内緒にしてて。
コロ (ニヤリ)はい。
かの子 絶対だから。
コロ (キリッ)はい。
かの子 誰か来た。
コロ よいですな若い者同士。イシシシシ。

かの子、去る。
しばらくして明らかに宇宙人の格好をした男(宇宙息子)がやってくる。

宇宙息子 キーキー。
コロ わんわん。
宇宙息子 キキ。
コロ わん。
宇宙息子 キキキ。
コロ わん。
宇宙息子 (笑う)
コロ (笑う)
宇宙息子 キキキ。
コロ わんわん。
宇宙息子 キキ?
コロ わんわん!
宇宙息子 キー!
コロ わん!

二人、喧嘩しだしたようだ。

宇宙息子 キキーーー!
コロ わんわん!

盛大に喧嘩を始めた二人。
そこへ姉のアコがやってくる。

アコ ちょっとなにしてるの。
コロ わんわん。
宇宙息子 キー。
アコ はいはい。もうふたりともいい歳なんだからそんなことで喧嘩しないの。
宇宙息子 キー!
コロ わん。
アコ それよりみんなは?
コロ わんわん。
宇宙息子 キー!
コロ わんわん!
宇宙息子 キキキ!
アコ もうわかったから喧嘩しないの。蹴るよ。宇宙一のケリくらわすよ?
宇宙息子 (キリッ)キー。
コロ (キリッ)わん。

父、コロの餌をもってやってくる。

父 おう、いたのか。
アコ お父さん、なにその格好。
父 格好って。変か?
アコ ちゃんとしてよ。
父 ちゃんとって。普通だろ?
アコ もう、恥ずかしい。コロだってほら、ちゃんとスーツ着てるでしょ。
父 それでお前そんな恰好してたのか。
コロ わん。
アコ スーツあったでしょ。スーツ。
父 スーツ? 家だぞ。
アコ 初対面は印象が大事なの。
父 逆にスーツの方が変だろ。
アコ そう?
宇宙息子 キー。
アコ まあ、いいか。
父 で、一緒じゃなかったのか。
アコ うん。ちょっと準備があるからって。
父 準備?
アコ 宇宙のいろいろあるから。
父 そうかいろいろか。トシくんは、お母さんに会うのは久しぶりか?
宇宙息子 キー。
父 そうかそうか。
アコ あれ、お父さん言葉わかるの?
父 馬鹿にするな。トシくんとはもう親子みたいなもんだ。な、トシくん。
宇宙息子 キンキン。
父 そうかそうか。
アコ 今、なんて?
父 地球ではお父さんが本当のお父さんのようなものですよお父さん。
コロ あははは。
宇宙息子 キー。
父 違うか?
アコ お父さん、今や距離は問題ではない時代ですよ。大宇宙時代なのです。そういったの。
父 なんだ。お前らはいちいち偉そうに言うな。本当か? だましてないか?
姉 騙してどうするの。馬鹿らしい。

チャイムがなる。

アコ はいはーい。

アコ、出ていく。
父、そわそわと落ち着かない。

父 来たか。
宇宙息子 キー。
コロ わんわん。
父 ああ、すまんすまん。(コロの餌を縁側に置く)そわそわしちゃうな。

アコがスモークを焚き、荘厳な曲をスピーカーから流しながらやってくる。
その後ろを明らかな宇宙人の女(宇宙母)がやってくる。

宇宙母 キー。
アコ 初めまして。ですって。
父 は、はあ。これはどうも。大層ななにこれ?
アコ 宇宙式のあれこれ。
父 あれこれかぁ。いやよくお越しくださいました。
アコ お父さん、こちらトシカズさんのお母様。私の父です。
宇宙母 どうもどうも。やだ、なにか食べてらっしゃるのかしら?
コロ わんわん。
宇宙母 なんて野蛮な。獣のようね。
アコ あ、それは、
宇宙息子 母さん、それは飼い犬のコロさんですよ。アコさんのお父さんはこちらです。
宇宙母 あらやだ。こちらなのね。なんだか知性のない顔をしてらっしゃったのでつい。だめねえ、地球人ってどうもみんなお猿さんみたいでみわけがつかなくて。
宇宙息子 母さん、失礼でしょう。
父 どうぞどうぞ。
アコ はあ、お父さんが宇宙語わからなくてよかった。
父 ん?
アコ なんでもないなんでもない。
宇宙母 では失礼します。
父 この度はわざわざ遠くから。あ、キー。
宇宙母 トシくん、この方はなぜラインでブロックしてますか?と聞いてくるの?
宇宙息子 お父さんは、宇宙語がしゃべれないんですよ。
宇宙母 なんて事。今の時代、宇宙共通語を理解できないなんて。トシくん、あなたそんな野蛮な所で大丈夫?
宇宙息子 もうだまってくれよ。
宇宙母 心配しているのよ。
アコ まあまあ、せっかく初めて顔を合わせたんですから。
宇宙母 そうでした。これ、つまらないものですけども。
父 なんですか?
アコ お土産ですって。
父 ああ、これはこれは。大層な……なんだこれ?
アコ ゲルマニウム合金?
父 ゲルマニウム合金。
宇宙母 本当にたいしたものでなくて申し訳ありません。アルファデパートにいったんですけどね、よいものがあまりなくて。
父 これはなにに使うのかな。
アコ えっと。
宇宙息子 母さん、ここは地球なんだよ。
宇宙母 なに?
アコ こうやって肩に当てたら肩こりが取れるんじゃないかな?
父 ほう、(やってみる)なるほどこれはよいものを。
宇宙母 あら、それは食べ物ですのに。
宇宙息子 喜んでもらったみたいだし、いいんじゃないの。
父 汚いところですがどうぞお座りください。
アコ 座ってくださいって。
宇宙母 座る……はいはい。

宇宙母、座卓の上に座る。

父 あ、ははは。
宇宙息子 母さん、そこは座る場所じゃないですよ。
宇宙母 あら、そうなの? ではどこに座るの?
宇宙息子 こうやって地面に座るんだよ。
宇宙母 あははは。面白い冗談。
父 どうぞどうぞ。いいんですいいんですよ。
アコ いいって言ってるし、いいんじゃないの。
宇宙息子 いいんならいいんだけど。
宇宙母 ワタクシ、初めて地球に来たのですけども本当に面白いところですね。こんな宇宙の果てに生命体がいるなんて。息子が外星省の官僚として地球外交官として地球に赴任するなんてなったときにはもう死んでしまうかと思いましたわ。
アコ あ、地球は素敵な場所ですねって。
父 そうですかそうですか。気にいっていただけてそれはありがたい。
宇宙母 最近も外星人排斥運動とかいう物騒な人たちが、外星人を襲うなんて事件もあるらしいじゃないですか。うちの息子がそんな野蛮で文明遅れな星でやっていけるのか毎日心配で心配で。
宇宙息子 大丈夫だよ。そういう偏見をもってるのはごく一部の地球人だけだから。
父 なんだって?
アコ えっと、素敵な場所ですねって。
父 また?
アコ そう。
父 ほうほう。そんなに気に入っていただけたんですか。そうだ、地元の名物の駿河屋の本ノ字饅頭があった。ぜひ食べてみてください。
アコ 私行くよ。
父 いいよいいよ。取ってくる。

父、去る。

宇宙母 あら、お父様はどちらへ。
宇宙息子 オイシイお菓子があるので持ってきますって。
宇宙母 あら地球の食べ物は初めて。食べられるの?
宇宙息子 ど、どうだろう。
宇宙母 キー。
アコ ちょっと大丈夫なの? これ。
宇宙息子 いやぁ、少しいたら満足して帰ると思うんだけど。
宇宙母 キー。
宇宙息子 キーキー!
アコ とりあえずトラブルになる前にホテルに行ってもらおう。かの子がいなくてよかったわ。
宇宙息子 かの子ちゃん? なんで?
アコ どうも、反対らしいのよねぇ。
宇宙息子 かの子ちゃんが?
アコ そう。
宇宙息子 え、なんで?
アコ なんかわかんないけど。私が地球出るっていってからなんか機嫌わるいの。
宇宙息子 あらら。
宇宙母 キーキー。
宇宙息子 キーキー。
アコ キーキー。
宇宙母 キー?
宇宙息子 キーキー。
アコ キー。
宇宙母 キッキッキッキ(笑う)

父、まんじゅうの乗った皿を持って戻ってくる。

父 おまたせしました。今、妹のかの子も戻って来ますんで。
コロ わんわん。
アコ あ、そうなの。かの子戻ってるって。
父 そうか。どうぞどうぞ。地元で有名なお菓子なんです。

父、まんじゅうを宇宙母に差し出す。

宇宙息子 キーキー。
宇宙母 キー?

宇宙母、まんじゅうを持って見る。
どうやら食べ物とは思えないようである。
父、廊下に出て、

父 かの子、かの子。こっちに来なさい。かの子。
アコ いいよ。お父さん。
父 せっかくおこしいただいてるんだから挨拶ぐらい。おい、かの子。

宇宙母、まんじゅうを肩にのせている。
肩こりが癒えたようで満足げ。

アコ あ、それは食べ物。
宇宙母 効きますわ?。
アコ 効くんだ。

ふてくされた様子でかの子がやってくる。

かの子 どうも。
父 どうもどうも。妹のかの子さんです。こちらトシくんのお母様。
アコ キーキー。
かの子 なんで机に座ってるの?
アコ それは……。
宇宙息子 キュキュキュ。
アコ 家、汚くないですけど。
宇宙母 キーキー。
父 ほら、座りなさい。

かの子も座卓の上に座る。

かの子 どうも。
宇宙母 あなたは言葉がわかるのね。
かの子 別に普通でしょ?
宇宙母 ええ、
かの子 それ。
宇宙母 これ? キキますわね。
かの子 食べ物ですから。
宇宙母 食べ物?
宇宙息子 そ、それは……。

かの子、まんじゅうを口に入れる。

宇宙母 これが食べ物? まさか御冗談。
宇宙息子 地球人と僕らは違いますから。
宇宙母 あらそうなの? それは失礼。

宇宙母、まんじゅうを口に入れてみる。

宇宙息子 あっ

宇宙母、激しく咳き込む。
かの子以外、慌てふためく。
宇宙母、後ろむきでまんじゅうを吐き出す。

かの子 あら、まんじゅうを食べられないんですか?
宇宙母 こんなの食べ物じゃないでしょう? 信じられない!
かの子 変わってますね。こんなにオイシイのに。
宇宙母 なんなのですか? あなたは。
かの子 別に、ただの地球人です。
宇宙母 なんだか失礼な気がしますの。トシさん? 違いますからしら?
宇宙息子 母さん。これが地球人なりの最大のもてなしなんですよ。
宇宙母 あら、そうでしたの。
かの子 よく地球にお越しくださいました。
父 大丈夫ですか?
アコ うん。大丈夫みたい。
父 そうか。よかった。ほらかの子、テーブルから降りなさい。普通にしゃべりにくい。

かの子、座卓から降りて座る。

父 えー、では揃いましたので、改めてご挨拶を。(咳払い)この度は、トシカズくんとうちのアコが結婚をと。つきましてはこれから親戚になるということで、今後共よろしくということで。
アコ キー。
宇宙母 キーキー。
宇宙息子 キーキー。
父 外国ならいざしらず、外星(がいほし)ということで、これから大変なこともあるかもしれませんが、ここは一つ協力していきましょう。
宇宙母 キーキー。
宇宙息子 キー。
宇宙母 キーキー。
宇宙息子 キー!
父 ん? なんて?
アコ あ、いやぁ。
宇宙母 キーキー。
宇宙息子 キッ。
父 なにかもめてるのか?
アコ あー、なんだろう。
かの子 もういい!
父 おい、どうしたんだ。
かの子 こんなやつにこんな事言われて悔しくないの? 
父 こんな事?
宇宙母 キーキー。
アコ ちょっとかの子。
父 どうしたんだよ。なに怒ってるんだ?
かの子 バカにされてるのよ。私達。
父 そうなのか?
アコ いや、そういうわけじゃ。
父 違うみたいだぞ?
かの子 私達のこと田舎の星の野蛮人だって言ってるのよ。
アコ そういうわけじゃなくて、習慣の違いってやつだから。
かの子 なんで? 悪気がない? こっちのこと何も知らずに好き勝手言ってる時点で馬鹿にしてるんでしょ。
アコ だからそれは。
かの子 もういい。コロ行こう!
コロ わん!

コロが宇宙母の手に噛み付く。

宇宙母 キイイイイ!
アコ こらっ、コロ、離しなさい!
かの子 あははは。いい気味。
父 かの子!

父、かの子の頬を張る。

アコ お父さん!
かの子 な、なんでよ。
父 ああ、すいません。コロ! 離しなさい。
コロ わん。
宇宙母 キイイイ!

父、コロを宇宙母から離す。

父 お怪我はなかったですか?
宇宙母 信じられない。こんな野蛮なところにトシくんは置いておけません。
父 すいません。すいません。
かの子 なんでお父さんが謝るのよ。
宇宙母 これが地球なのですか? あなたたちは私達を敵として見ているのですか? 私達はあなたに友好をしめしているのです。確かに人種や習慣は違うでしょう。しかし、それは気持ちの問題ではないのですか? それをあなた達はふいにするというのですか?
父 いいえっ。人類みな兄弟。宇宙も地球も関係ない。みんなでつなごう宇宙の輪!

父、ゲルマニウム合金を口に入れる。

アコ お父さん!
父 ははは。オイシイなぁ。オイシイですよ。もごもごもごもごもごもご。
宇宙母 なんとおっしゃってるの?
アコ 娘をよろしくおねがいします。
宇宙息子 地球で大事に大事に育てた娘です。
父 もごもごもごもご。
宇宙息子 あなた方から見たら、失礼なことがあるかもしれません。しかし、外星人だろうが地球人だろうが親からすれば大事な大事な娘だという親子の絆というのは宇宙共通なのではないでしょうか。それをわかっていただけますでしょうか。
父 もごもごもごご。
宇宙息子 大変申し訳ありませんが、今後とも宜しくお願いします。
宇宙母 そう。
アコ お父さん。
宇宙母 ええ、こちらこそよろしくおねがいします。
アコ こちらこそよろしくおねがいしますって。
父 もごもごもごもご。
宇宙母 キーキー。
父 もごもご。
宇宙母 もごもご。
父 キーキー。
宇宙母 キーキー。
父 もごもご。

父、吐き出し、

父 ラインヲブロックシテイマセンカー?
宇宙母 ラインヲブロックシテイマセンヨー。

宇宙母と父、人差し指を差し出し、くっつける。
暗転。
(隠し持っていたライト(LEDペンライト?)でくっついた指先だけが光る)


夜。
コロが座って外を眺めている。

コロ わんわん。

かの子がやってくる。

かの子 コロ。
コロ わん。
かの子 怒ってるの?
コロ わん。
かの子 何言ってるかわかんない。
コロ わんわん。
かの子 意地悪? あんたが噛んだのも悪いんだからね。
コロ わん。
かの子 もう、好きにしなさい。

コロ、去る。
父が疲れた様子で入ってくる。

父 ただいま。
かの子 ……。
父 はぁ、疲れた。
かの子 お姉ちゃん達は?
父 ああ、なんかお母さんがいるものがあるっていうので買い出しにいった。
かの子 そう。
父 さっきは悪かったな。大丈夫か?
かの子 うん。
父 まああれだ。お前も後ででいいからアコに謝っとけよ。
かの子 ……。
父 な?
かの子 お父さんはいいの? お姉ちゃんが宇宙に嫁に行くって。
父 いいもわるいも。本人がそうしたいっていうんだから。
かの子 でも。
父 それよりお前は?
かの子 私?
父 来年、就職活動か?
かの子 まあ。
父 この星じゃ就職ないだろ。お前もよその星で就職とか考えてるのか。
かの子 わかんない。
父 わからないってお前。
かの子 まだなんも決まってないからわかんないでしょ。
父 そりゃそうか。
かの子 あの、
父 ん?
かの子 私、宇宙人嫌いだから。
父 おい、宇宙人って言ったらだめだろ。
かの子 なんでよ。宇宙人は宇宙人でしょ。
父 差別用語だろ。
かの子 お父さんは平気なの? 気持ち悪いじゃない。あの人達。人間じゃないんだよ。
父 おい。
かの子 偉そうに地球にずかずか入ってきて、勝手に人の星いじくりかえして、腹が立つ。
父 おい、どうしたんだ。変だぞ。
かの子 別に。

かの子、去る。

父 おい、かの子! かの子! ったくなんなんだあいつは。
かの子の声 ちょっとどいてよ!
宇宙息子の声 キー!

宇宙息子が入ってくる。

宇宙息子 キー。
父 ああ、トシ君。
宇宙息子 キー。
父 アコは一緒じゃないのかい?
宇宙息子 友達から電話が来たので、まだ外で電話してますよ。
父 そうかそうか。もう来るのかな?
宇宙息子 お父さんは大丈夫ですか?
父 ああ、早く戻ってこないとなに言ってるかわからんな。
宇宙息子 キーキー。
父 はは。ああ、そうだなぁ。
宇宙息子 キーキー。
父 うんうん。
宇宙息子 お父さん、ぼくの言ってることわかってますか?
父 うんうん。何言ってるんだろうなぁ?
宇宙息子 お父さん何ってるんだろう?
父 宇宙語は困るよなぁ。
宇宙息子 地球語は困るよなぁ。
父 なあ? そうだよなぁ。
宇宙息子 ねえ、ですよねぇ?
父 ははははは。
宇宙息子 はははは。
父 うんうん。
宇宙息子 キーキー。
父 うんうん。
宇宙息子 キーキー

かなり長い間。

アコの声 ただいまー。

父・息子、待ってましたとばかりに入り口に迎えに行く。

アコ ど、どうしたのよ。
父 いや、待ってたよ。
宇宙息子 キーキー。
アコ なによ。もう。
父 いやいやすまんすまん。で、大丈夫だったのか?
アコ ああ、お母さん? うん。ホテルで落ち着いたって。明日もう家よらずに帰るって。よろしくいってた。
父 なんだったんだ? いるものって。
アコ 薬。
父 薬?
アコ まんじゅうが駄目だったみたい。お腹痛いって、外星人用の腹痛剤探すのに苦労したわよ。
父 おお、そうか。
アコ お父さんは大丈夫? あんなの食べてたけど。
父 お前、オレは平成生まれだぞ。根性が違うんだよ。
アコ ならいいんだけど。それにしてもホテル大騒ぎだったわよ。もう大変。
父 なにが。
アコ 外星人狩り。ついにこの町でも。
父 そうか。
アコ まだ犯人捕まってないみたいだし、トシくんも気をつけないと。
宇宙息子 キー。
アコ かの子は?
父 自分の部屋に行ったみたいだな。
アコ そう。なんか言ってた?
父 外星人があまり好きじゃないって。
宇宙息子 キー。
アコ そう。(息子に)後で説明するから。
宇宙息子 キー。
アコ ちょっと話ししないとか。
父 あたた。
アコ どうしたの?
父 ちょっちょっとトイレ。
アコ 大丈夫? 下痢?
父 わからん。とにかくトイレだ。
アコ やっぱ変なもの食べたから。
父 あたたたた。

父、去る。

アコ 大丈夫かな。薬探しといてくれない? 台所にあったとおもうから。
宇宙息子 あ、うん。
アコ トシくんは大丈夫? まんじゅうたべなかった?
宇宙息子 あ、うん。
アコ じゃあ、ちょっと私、かの子と話ししてくる。

アコと宇宙息子、去る。
間。
かの子が顔を出す。

かの子 誰もいない。今だよ。
合田 おう。

かの子と合田が入ってくる。

かの子 こっちから出て。玄関だと音するから。
合田 靴は?
かの子 庭の外に隠してる。
合田 そっかそっか。
かの子 早く。
合田 ありがとな。助かった。
かの子 ねえ、何したか聞かないけど。無茶したら駄目だよ。
合田 オレは地球のためにやってんだよ。ヒーローだぜ?
かの子 ヒーローって。
合田 悪い宇宙人から地球を守るのがヒーローだろ?
かの子 子供みたいなこと言わないでよ。
合田 お前は大人なのかよ。
かの子 もう二十歳こえてるよ。
合田 そういう意味じゃない。
かの子 いいから早く。誰か来る前に。
宇宙息子の声 なあ、正露丸とビオフェルミンどっちがあれだっけ? いいんだっけ?

宇宙息子が入ってくる。

宇宙息子 あ、上か。
かの子 あ、トシカズさん。
宇宙息子 ああ、かの子ちゃん。あ、もしかしてコロ君が言ってた噂の彼氏さん? 
合田 おい、なんでこんなところに宇宙野郎がいるんだ?
かの子 そ、それは……。
合田 お前、もしかして、
かの子 違う、違うの。
宇宙息子 キー。
合田 なんだキーキー。ここは地球なんだよ。地球語を喋れよ。宇宙野郎が。
宇宙息子 宇宙語喋れないのかな? どうも、かの子さんのお姉さんとお付き合いしてる地球ではトシカズといいます。将来の兄かな? あはは。

宇宙息子、合田に握手をしようと手を差し出す。
合田、飛び退き、刃物を取り出し威嚇する。

かの子 ちょっとまって。違うから。
合田 違うってなにがだよ。
宇宙息子 あら、なにか怒らせたかな。かの子ちゃん、ちょっと誤解を。
かの子 トシカズさん、どこか行ってください。ややこしくなるので。
宇宙息子 あら、取り込み中だったかな。
合田 おいお前、なに宇宙語喋ってんだよ。
かの子 別に、大学で普通に勉強するから。
合田 お前、オレを売ったのか?
かの子 そんなことするわけないでしょ。
合田 じゃあなんでこんなところに宇宙人がいるんだよ。
宇宙息子 ははは。仲良くしないとねえ。君たち。今や外星人と地球人で結婚する時代なんだから、せめて地球人同士はなかよくねえ。

宇宙息子、親しみを込めて合田に近付こうとする。
合田、攻撃されると思って宇宙息子を刺そうとする。

宇宙息子 え?

コロが飛び込んできて、合田に体当りする。

宇宙息子 コロ君!
コロ わんわん。
合田 なんだこの犬。
コロ ふんっ、情けないな。宇宙婿。
宇宙息子 なにをするんだよ。
コロ お前を助けてやったんだぞ。
宇宙息子 助ける?
かの子 コロってこんなキャラだった?
宇宙息子 ニヒルでクール。
コロ よせやい。
宇宙息子 を気取ってるただのナルシスト。
コロ お前、本当に空気を読めないな。今、こいつはお前を殺そうとしたんだぜ。
宇宙息子 えっ?
コロ こいつは外星人殺しの犯人なんだよ。
宇宙息子 ええっ!
コロ こいつから外星人の血の臭いがぷんぷんするだろ。
宇宙息子 そ、そうなの?
かの子 そ、それは……。
合田 じゃまするなっ、ワンコウがっ。

合田、コロを蹴り飛ばす。

コロ ちっやられちまったぜ。
かの子 セリフの割に弱い!
宇宙息子 コロくん!
コロ ふん。貴様をかばってやられるとはな。親友よ。ぐふっ。
宇宙息子 親友って、コロくん! お前、コロくんになにするんだ!
合田 なんだいっちょ前に怒ってんのか? 宇宙人のくせに人間みてえに感情でもあるってのか?
宇宙息子 このやろう!
合田 こいつっ!
かの子 やめてっ!

合田が宇宙息子に向かっていく。
もみ合ってるところに、父がお腹を抑えて戻ってくる。

父 何騒いでるんだ? ってえ?
合田 どけぇ。

宇宙息子を刺そうとした合田、しかし宇宙息子がかわして、そのまま父を刺してしまう。

父 えっ。
合田 くそっ。
宇宙息子 キーキー。

アコが入ってくる。

アコ あ、かの子、いたいた。って何この状況。
宇宙息子 説明はあとだ。お父さんが刺された!
アコ な、なんで!
合田 なんだよ。ぞくぞくと集まってきやがって。
アコ あんたがやったの?
合田 ふん。宇宙人をかばおうとするからだ。
アコ あ、UFO。
合田 あん! 宇宙人の援軍か!?

合田が振り向いたスキに、アコが合田に蹴りを入れて取り押さえる。

合田 なんちゅうケリ。
アコ 宇宙一のケリをなめんじゃないわよ。
宇宙息子 アコさんのケリこえええ。
コロ これか
ら大変だな。
宇宙息子 怒らせないようにしましょう。
父 いたたたた。
かの子 お父さんお父さん!
父 いたたたたた。
アコ あれ、血が出てない。
合田 当たり前だろ。宇宙人用のナイフだ。地球人には害はねえよ。
かの子 そうなの?
アコ え、お父さん?
父 アタタタ。多分、ゲルマニウム合金があたったみたいだ。
アコ もう心配させないでしょ!(叩く)
父 おい、痛いのは痛いんだぞ!
アコ ごめんごめん。さあ、かの子説明してもらうわよ。
かの子 それは……。
合田 こいつは関係ねえよ。なんも知らねえ。
アコ そうなの?
合田 ただの高校時代の同級生だよ。たまたま追われて怪我してるところを助けてくれたんだ。なんにも知らねえよ。こいつは。
かの子 合田くん。
合田 警察でも宇宙警察でもどこでも連れてけよ。
アコ そうしましょうか。ちょっと先の派出所あるから連れてこうか。トシくん、縛って連れてって。
宇宙息子 ええ?。
アコ トシくん!
宇宙息子 はい!
合田 ちっ、さわるなよ宇宙人がっ!
宇宙息子 キーキー。
アコ じゃあ私も行くから。かの子、あんたお父さんの看病して!
かの子 え、
アコ いいから!
宇宙息子 あ、これ、ビオフェルミンと正露丸。
かの子 ありがとう。

宇宙息子とアコ、合田を引き連れて去る。

父 いたたた。
かの子 大丈夫?
父 元祖正露丸を。
かの子 あ、はい。

父、薬を飲む。

父 治った。
かの子 ほんとに。
父 さすが最新の正露丸はすごいな。
かの子 これビオフェルミンだった。
父 おっ、
かの子 治ったんなら良かったけど。
父 いやぁ、なんか大変だったな。
かの子 あの……ごめんなさい。
父 え、なにが。
かの子 いろいろ。
父 まあいい。誰も怪我なかったんだし。いいじゃないか。
かの子 うん。
父 お前もあれだ、外星人がきらいだっていうのも。別に止める気もないし。
かの子 そ、そうなの?
父 実はな、父さんも嫌いだ。
かの子 そうなの?
父 今オレは娘を外星人に取られた父親だぞ。憎しみがすごいぞ。
かの子 そっか。
父 だからといって他人を傷つけちゃいかんけど。
かの子 うん。
父 さっきの青年はあれか。彼氏とかだった感じが。
かの子 昔、高校時代。
父 つきあってたのか。
かの子 うん。
父 そしたらあれだな、地球人も嫌いだな。オレは。
かの子 じゃあ全部駄目じゃん。
父 いいんだよ。オレにはコロがいるから。な?
コロ ええ、お父さん。人間よりも時代は犬ですよ。
かの子 ありがとう。
コロ ところでお父さん。ぼく、外星犬の恋人ができたんですよ。
かの子 あの、
コロ やはり外星犬のほうがですね。ボンキュッボンとしていいんですなぁ。
かの子 ちょっとコロうるさいよ。
コロ おっと失礼。
かの子 私、アメリカに行こうと思うの。
父 アメリカ?
かの子 今大学でやってる研究でアメリカに誘われてるの。
父 そうか。どれぐらいだ。
かの子 わからない。もしかしたらずっとかも。
父 そうか。
かの子 いいの?
父 いいのって決めたんだろ。
かの子 うん。
父 そうか、みんな出ていくなあ。
かの子 うん。
父 宇宙やらアメリカやら遠いよな。
かの子 大陸間弾道列車ならアメリカなんて二時間だよ。
父 そういう時代か。
かの子 帰ってくるよ。向こうの研究終わったら。
父 帰ってこなくていい。
かの子 なんで。
父 ちゃんと仕事して、どうしても駄目だったら帰ってこい。それまで帰ってこなくていい。
かの子 そっか。
父 そういうもんだ。家っていうのは。
かの子 うん。

かの子、立ち上がり、

かの子 私、お姉ちゃんの様子見てくる。
父 そうか。
かの子 ちょっと話ししたいし。
父 ああ、そうだな。
かの子 じゃあちょっと出てくる。
父 うん。あ、キー。
かの子 なに急にラインでブロックしてるか聞くの?
父 あれ、おかしいな。
かの子 嘘、わかった。
父 そうか、オレも上達したか。
かの子 じゃ行ってくる。

かの子、去る。
父、縁側に座り空を眺める。
コロもその横に座る。
父、指で空を指差す。

父 ほら、あそこに見える星がアコが行く星なんだ。
コロ ご主人、それは違いますよ。まったく逆です。
父 今オレたちが見ているあの光は何十年何百年も前の光なんだってよ。遠いな。宇宙なんていうのは遠すぎて実感がわかないな。
コロ 高速宇宙船で3時間ですよ。アメリカに行くのとそう変わらないです。
父 もう遠さっていうのがよくわからんな。
コロ 実際の距離ではなく、自己との相対的な遠さによるものなんですよ。いくら近くにいても会わなければ近くも遠くも関係ないんです。いまや距離は関係なく連絡を取り合う人間には、肉の温度とともにほどよい距離を見つける必要があるのではないでしょうか?
父 なんかまた賢いこと言ってそうだな。
コロ なんせ天然記念物の紀州犬ですからね。。
父 なあ、コロ。
コロ わん。
父 お前はどうする。かの子についていくか。
コロ わん。
父 なに言ってるかわかんねえなぁ。まあいいか。それでも。
コロ ところでご主人、お腹が空いてきたのでご飯をいただけませんか。
父 はいはい。そういえばまだ晩飯まだだったな。すまんな。
コロ イシシシ、さすがご主人。ゴハンの催促だけは伝わる。わかってらっしゃる。
父 よっこいしょっと。

父、去る。

コロ わおーん。

コロ、空に向かって吠える。


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使用許可について

基本無料・使用許可不要。改訂改編自由。作者名は明記をお願いします。
上演に際しては、観に行きたいので連絡を貰えると嬉しいです。
劇団公式HP https://his19732002.wixsite.com/gekidankita

劇作家 松永恭昭謀(まつながひさあきはかりごと)


1982年生 和歌山市在住 劇団和可 代表
劇作家・演出家
深津篤史(岸田戯曲賞・読売演劇賞受賞)に師事。想流私塾にて、北村想氏に師事し、21期として卒業。
2010年に書きおろした、和歌山の偉人、嶋清一をモチーフとして描いた「白球止まらず、飛んで行く」は、好評を得て、その後2回に渡り再演を繰り返す。また、大阪で公演した「JOB」「ジオラマサイズの断末魔」は大阪演劇人の間でも好評を博した。
2014年劇作家協会主催短編フェスタにて「¥15869」が上演作品に選ばれ、絶賛される。
近年では、県外の東京や地方の劇団とも交流を広げ、和歌山県内にとどまらない活動を行っており、またワークショップも行い、若手の劇団のプロデュースを行うなど、後進の育成にも力を入れている

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