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地方演劇を真面目に考える会 特別編 その7 【演劇のその他の魅力について考える編】

概要

2021年に和歌山市のクラブゲートと、オンラインで開催した「地方演劇を真面目に考える会」の記録です。以下のHPにて、開催した動画のアーカイブ、アンケートデータや、インタビュー動画をご覧になれます。ぜひご覧ください。

意外な演劇の魅力を探そう。

今回は、演劇の魅力を探そうの最期という事で、戯曲・役者・空間以外の部分の魅力を探してみようと思います。

◎その他の要素

演出

演出の仕事が何なのか?と言われると難しいのですが、公演全体の仕掛けや雰囲気から、役者のしぐさや解釈まで、いろいろと演出が関わっています。
独立して演出をとりあげて、演出論まで話を広げると、とてもじゃないですが語りきれないので、その他の所に演出とまとめましたが、演劇論の多くの割合に演出論もふくまれるほど、演出は演劇に欠かせない要素です。
すぐれた演出家が作り上げる作品は、台本をより高次元の面白さに引き上げるとても素晴らしい技能です。
演出家の名前を見て、公演を見に行くか決めることも多いので、演劇の魅力の大きな役割だと思います。

・観客間コミュニティー
演劇は劇場に不特定多数の人と観劇をするので、そこで知り合った人や、一緒に見に行く人、など演劇好きのコミュニティーが形成されやすくなります。そうすると、簡単にいうと、会社や学校以外の友達ができたりします。必ずしも必要なものではないかもしれませんが、人間にはやはり社会コミュニティーが必要であるので、それを満たす用件であるのは間違いないと思います。

・グッズ
演劇に限らないのですが、公演のグッズや、役者のグッズなどをコレクションする魅力はあると思います。特に演劇のグッズは流通が少ない事が多いので、レア度は高いのではないでしょうか?

・地域性
かならずしも必要な要素ではないかもしれませんが、非大都市圏では重要になったり、それだけはなく、日本の独自性であったり、場所とのつながりは、演劇が強く持つ要素かと思います。
特に、公演を企画するときに、「なぜこれを上演するのか?」という意味を考えたときに、大体、「同時代性」か「地域性」の要因が強くなると思います。地域性は、その場所に生きている人達にとって、意識しなくても大切なものでもあるので、演劇がほかの分野とは違う魅力の一つだと思います。

その他の魅力のまとめ

今回は、その他ということで、思いついたことを書いていきました。おそらくまだまだあると思いますので、気づいたら追記していきたいと思います。これまで書いたどれかだけではなく、さまざまな相互作用もあるでしょう。日本は欧米諸国に比べて、演劇の重要度は低い方に感じますが、それでも必要とする人は存在するでしょうし、これからもなくなることはないように思います。それほど、演劇という存在自体が、人間の社会生活の中で必要なナニカや、もしかしたら本能的に必要な要素があるのかもしれません。
しかし、人が集まることが必要な演劇は、非大都市圏ではかなり厳しい状況にあると思います。これを書いていて、もっと上手にかけたり、間違ってるかなとは思いながら、なんとか奮い立たせて書いているのですが、それはただ、それが少しでも緩和できるキッカケになればいいかなと思います。
とりあえず、演劇の魅力については、今回で終えて、次は、大都市圏と非大都市圏の演劇の違いについて、取り上げて行こうと思います。

つづきます。
番外編 その12はコチラ

劇作家 松永恭昭謀(まつながひさあきぼう)

1982年生 和歌山市在住 劇団和可 代表
劇作家・演出家
劇団公式HP 

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