_ラブコメディ00nico

結婚生活が恋愛漫画に与える影響のこと

お世話になっております。若林です。

恋愛漫画を描いてると……
「童貞じゃないと面白いラブコメは描けない」とか
「彼女ができると漫画に影響する」とか
いろんな話を耳にすることがあります。

そもそも僕は「徒然チルドレン」を描き始めた当時から、今の妻と同棲生活を始めていました。
なので当時の「恋愛たのしい!!」っていう気持ちが影響してたのは間違いないと思います。

「漫画の中に実体験も描かれてたりするんですか?」という質問もよく頂きます。
内容はほとんど創作です。
うちの妻をモデルにしたようなキャラもいません。

ただ付き合って数年経つと、「恋愛楽しい!」だけではなくなってきますよね。
「徒然チルドレン」の4巻くらいから恋愛の大変さみたいなことを描くようになったと思います。
「きれいなだけが恋愛じゃない」みたいなものを、はっきり「描きたい」と思って描いてましたね。

それから子供ができて、はっきり描き方が変わったのは千葉ちゃんの話でしたね。
生徒と先生の恋を描くにあたって、二人が最終的にどうなるかはなりゆきで決まるだろうと思いながら描いていました。
でも子供ができてから、「千葉ちゃんとくっついたら、僕は桐原先生のこと嫌いになる」と感じるようになったんですよね。
それでもキャラそれぞれの人格は無視できないので結局はキャラ任せの展開にはなるんですけど。
この二人の話では「大人とは」という他のキャラでは描かれないテーマが出てたかと思います。

それ以外は、恋愛や子育ての影響を自分では特に感じたことはありませんでした。
ただ連載が終わって、もう一度恋愛漫画のネタを考えようとした時に「はっ」と気づいたのですが……

「徒然」を描き始めてしばらくは、キャラのことを「友達」みたいな距離感で描いていたんです。
「こいつらの恋愛を応援したい!!」っていう感覚です。
結婚した頃の感覚は「仲間」みたいな距離感でした。
「こいつらの恋愛に寄り添いたい」「うんうん、わかるで。大変なこともあるよな。」って感じで描いてたなと。

そして子供ができてからの感覚は、明確に「子供」でした。
よく作家は、自分のキャラを子供のように愛してるとかいいますし、僕もその感覚わかるんですけど、実際子供ができると、もっとリアルに「子供」っていう感じになったんです。
なので「こいつらの恋愛を応援したい!!」とかより、「なんでもいいから幸せになってくれ!!」って気持ちで見ちゃうんですよね。

10巻の文化祭とか、12巻の卒業とか、あのへんの話を描いてた時は、
自分が高校生だった頃の目線というよりは、
親の目線で子供の学校に見学に行く感覚で描いてたと思います。

これに気付いてから、
しばらく恋愛漫画は描けそうにないなって思いました。
今は元気に殺し屋漫画を描いてます。

※余談
このコラム、5月くらいに書いたコラムを一部修正しての再掲です。

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ありがとうございます!!この漫画自信作なんです!!
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漫画家です。 代表作は『徒然チルドレン』『幸せカナコの殺し屋生活』など。 noteでは普段の漫画の他に漫画について考えてることを投稿していきます。
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