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個性を出すために考えたこと

お世話になっております。若林です。

作家業って何かしら売りになる個性が必要な仕事ですよね。
自分の個性を自覚して売りにするのも大変ですし、それを人に認知してもらうのも大変だと思います。
僕も個性の乏しい人間なので、どうしようかと考えたことがありました。

たぶん一番単純な方法は、「同じことをたくさんする」だと思います。

同じテーマ、同じジャンル、同じシチュエーション、同じキャラ……。
とにかく同じ要素のものをバリエーションつけて繰り返し描いていくんです。

ずっと同じことをたくさんやってればそのうち嫌でも「○○の人」として認知されます。

「徒然チルドレン」も最初はそれを狙って描いた漫画でした。
恋愛、4コマ、いろんなキャラでいろんなシチュエーションの読み切り。
これをずっと描いてたら「恋愛オムニバス4コマの人」として認知されるようになりました。
おかげで恋愛漫画の依頼がたくさん来るようになりましたね。

ただし周りに同じような人がいるとあまり価値は出ません。
結局、他の人に無い特別な個性っていうのは必要になってくるんですよね。

ただ他に同じような人が増えると、次第に自分と他人の違いにも気付くようになります。

それが大した違いでなくても、他人と違うというだけでまあまあ個性です。
ただし他人からその違いに気付いてもらえることはほとんどありません。
なので自分でそれに気付いたら、他人にもわかるように強調していきます。

他人との違いを強調するための一番単純な方法は、やっぱり「同じことをたくさんする」だと思います。

僕も恋愛漫画を描いてる中で、自分と他人との違いにいろいろ気付きました。
一番わかりやすいのは「!!」で終わる顔芸ですね。ワンパターンと言われるほど意識して入れてます。
あとツッコミ不在のボケっていうのも、あんまりやってる人を見ないので意識して描いてます。
あとは細かいことがいくつかあるのですが、気付き次第量産体制に入ります。

繰り返しますけど、僕はほんとに個性の乏しい人間なんですよ。
「これが自分の個性だ!」って胸を張って言えるものなんて何もありません。

なので特別な個性を探すんじゃなく、平凡な個性を特別にする方法を考えてきました。
その一番単純な方法が「同じことをたくさんする」です。

そもそも「個性」って「他人と違うこと」じゃないですか。
同じことをたくさんする人ってだけでも違いは出ますし、それが他人と違うことならなおさらです。
やってればそれが個性になるので、あとはできることをやるだけかなって。

光る才能とか、鋭い感性とか、そういうのがあれば良かったんですけどね。
何せぼーっと生きてきたので、今になって自分の個性をゆっくり育ててる毎日です。

※追記
「同じことをたくさんする」にも得意・不得意があります。やってて辛いことは続けられません。
僕は元々恋愛漫画に対して強いこだわりは無いですし、他人より上手く描ける自信もありません。
ただ5分で描けるものを描こうと思ったら、自分にとってそれが恋愛4コマオムニバス漫画でした。
できることからやればいいと思います。

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