表紙_001

恋愛漫画で苦労した2つの問題

お世話になっております。若林です。

僕は「徒然チルドレン」という恋愛漫画を6年くらい描いてました。
その中で、頭を抱えた問題が2つありました。

①展開が重くなりがち
気持ちが高まれば高まるほど、関係性が深まれば深まるほど、展開はシリアスになっていきます。
そのまま突っ切れる勢いがあればいいんですけど、下手すると停滞します。

きっかけはいろいろあります。
恋のライバルが出てきた時とか、主人公達がお互いの気持ちに気付いちゃった時とかです。

「徒然チルドレン」だと、神田さんとアリスちゃんの関係がそんな感じでした。
面白いと思ってライバルキャラを出したんですけど、その場の面白さしか考えてなかったんですよね。
ライバルの存在で主人公の人間性が引き立たなくて、ただの荒らしになっちゃったんです
さらに主人公が引いちゃってうじうじしだすと大変です。主人公の気分は話全体の雰囲気になりますし。
最初からきれいな落としどころを用意してないと、主人公の好感度も落ちてしまいます。

千葉ちゃんと桐原先生の話も途中困りました。
いつも鈍感だった桐原先生が生徒の千葉ちゃんの気持ちに気付いて、ギクシャクするんです。
両想いならまだしも、相手の気持ちを受け入れられない事情があると、暗ーくなりやすいですね。
こうなると気の遣い合いになって、どんどん悩みが深くなり、お互い何もできなくなっていくんですね。

②いつまでも同じ関係ではいられない
バトル漫画は敵を倒せばまた新しい敵が出てきますけど、恋愛漫画はそれができません。
ずっと同じ相手と向き合い続けないといけないんです。

続けてればだんだんやることが無くなっていきます。
相手の気持ちに気付かないとか、素直になれないとか、いつまでもやってられません。
あんまり鈍かったり、優柔不断だと、キャラにイライラしてきますし。
かといって下手に進展させると話が終わっちゃいますし。

「徒然チルドレン」ではみんなにその問題がありました。
卒業に合わせてクライマックスを持ってこようとすると、途中やることに困るんですよ。
さらに群像劇は時間感覚が特殊です。
キャラの再登場の間隔が広いので、関係性の進展が乏しいとすごーく停滞してるように見えるんです。
キャラ本人にとっては2話しか時間が経ってなくても、読者にとっては1巻ぶりだったりしますからね。

キャラを増やしても、シチュエーションを増やしても、描けるものにはある程度限界があります。
「キャラもシチュエーションも違うけど、前に描いたのと同じオチじゃん……」ってことになるんです。
……まあ僕が未熟だからかもしれませんけど。

やっちゃう時はやっちゃいます。
上手くいく時もあればどうしようもない時もあります。
だけどキャラを幸せにできるのは自分だけ。
「最後はハッピーエンドだ!!」って思いながら描き切りました。

じゃあそんな問題をどう解決してきたのかって話ですけども。
そこは「徒然チルドレン」を読んで欲しい!!
要望があればまた今度書きますけど、とりあえず読んで欲しい!!
単行本全12巻!!すぐ読める!!買うしかなーい!!

※余談
「徒然チルドレン」を描いてた頃に僕が一番参考にしてたのは「君に届け」でした。
たぶん椎名先生も似たような問題を抱えたことがあったのではないでしょうか。
「君に届け」読みながら、問題を先読みしたり、解決策を参考にしたりしてました。

今参考にするなら「先輩がうざい後輩の話」「事情を知らない転校生がグイグイくる。」ですね。
二つとも上記の悩みなんて無いかのように展開が上手いです。
「徒然チルドレン」をやる前に描いてくれてれば良かったのにって思います。

でも「徒然チルドレン」を読んで欲しい!!買って欲しい!!!!

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漫画家です。 代表作は『徒然チルドレン』『幸せカナコの殺し屋生活』など。 noteでは普段の漫画の他に漫画について考えてることを投稿していきます。

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