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matou

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東京とロンドンに其々住む20代女子がゆるりと綴る交換日記。美術に触れたとか、四季を感じたとか、刹那的なのとかなんでも。
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#日記

自己理解が乏しい人間の吐露

あけてしまいました、2020。ずっと頭にあるのに、なかなかmatouを書けていなかったのですが、結局いつもどおりつれづれなるままにまずは書き出そうと思い手を動かしています。 文字が滑る現象とその顛末妄言・戯言の類だと分類してほしいのですが、今回はお二人に出会う前の前職退職時の話をしたいなと思います。まえ少しおゆちゃんには話したのですが、むしろその話せたという事実が実在たらしめたと思い、今回は書き出しています。 前職をやめるとき、表向きには「区切りがついたから」「自分がやり

サジェストされた世界から出よう

仕事がリモートワークになって久しい。 東京都で外出自粛要請が出てから、外にでることで身体にもたらされる抑揚のある日々が、14畳ほどの部屋の中で真っ平らに、滑らかに進んでいくようになった。窓枠を通して外を見ると、時折下船することを許された、潜水艦の中にいるような気分だ。 私自身の根が内向的なのも手伝って、すぐにその環境に順応し、かつての生活とは違うリズムを生み出せるようになった。通勤をすることで生まれるノイズを排除すると、日常の細かなところに目が行く。 例えば、もっと柔

前に進んでいる、という感覚

アルコール中毒 a.k.a アル中を指す英単語 alcoholic から抽出された接尾語 -aholic; ァホリック。嗚呼と思ったけれどまあよかった。買い物中毒を表す shopaholic も例外ではない。本帰国に堰を切られたかように買い物をしている。やれDiorだ、やれSKIIだ、やれCLARINSだ。ぽちぽち。画面のバケツに入っていくのは終始スキンケアプロダクトだった。ぽちぽち。接尾にある ァホリック がぐわんと響き、仕舞いに致命的な響きに聞こえてくる。ショッッッパ「ァ

行動と思想のバランス

おゆちゃんからの日記が届いてからもう季節が2つ進んでいるようで驚いています。毎回お元気ですか?からはじめてしまう遅筆だけれど、お二人宛となると妙に緊張しつつ一方で話したいことが溢れて来るから不思議です。 ベッドに張り付こうとする彼女と起き上がる私私の行動は社会と周りからの視線を意識しています。 私はそれらに敏感で臆病なので、少しでも外れるような動きはしません。 一方で、私の思想はすごく自由です。ただ自由すぎると周りから不安視されるので良識の範囲を超える思想を”彼女”と呼び

偏見に嫌悪する

ながらく交換できてなくてごめんw 懲りずに改めてよろしくお願いします。 マガジンタイトル「matou」、色々と吐露してしまうネーミングよね。 今回は自分を見失ってしまった私の、漏れだすような気持ちをつらつらと書かせてください。 ■biological kid’sきっかけは、たぶんこの事件。5月に2週間ほど、Seattleに行ったときのこと。事件に進む前に、まず舞台であるSeattleについても話させてください。 2010年からの約1年、当時20才だった私が住む場所として

放心状態になるまで駆け抜けた、

標本リサーチで訪れた漢方の施設。 研究所の文献が一々可愛らしい。 このプロジェクトは完結できていないので頑張らなきゃ。甘えてばかりで申し訳ない。 Sawakoさんに、SONY CSL OPEN HOUSE にお誘いいただいて、感覚拡張や身体拡張について触れた。研究者への憧れが増していく。 個人宅にて行われる、月一の出稽古。 移ろう光と、交差点。 恋人とみた、「2018年のフランケンシュタイン」、DNA BLP。 日常的にDNA落としまくってることへの恐怖心もあったな

モノゴトの起源に触れたい

お久しぶりです、前回の日記から今に到るまで、西日本豪雨や北海道地震、大阪北部地震、日本は大雨や地震などいくつもの災害に見舞われました。 そしてこの文字を認めている今、iPhoneから「地震です」という険しい音でなるアラームが「生きている」という事実を突きつけてきます。 実を言うと、私はめちゃくちゃ臆病で、3.11の震災の映像が衝撃的過ぎて、あれから災害の資料を中々目にできない時が続いていました。見れるようになったのは去年のこと。 災害を境に身の回りの色んなことが崩れていっ

平成最後をアーカイブしませんか?

電話、この前ありがとう。 平成生まれが、平成最後の夏何か作るなんてちょっと良くないですか? 二人の世界は私と違う視点で見ていると思うので、明日の話し合いで、少しここがお話できたら嬉しいです。(by oyu) おゆちゃんがせっかく議題提案していたのに、他の話が盛り上がって全く話し合えずでしたね。でも2人との電話ででた、「チームラボは小室哲哉」だから。って名言が忘れられないくらいツボに入ってます。 時代とともに変わる存在と時代を象徴するアイコン 現在いたるところで宣伝され

東京は楽しいけれど、この地で走り続けることへの疑問が湧いてきた

東京はすっかり梅雨が明け、40度まで達する暑い日が続いています。 碧さんや若葉ちゃんが疾走感ある日々を過ごしている中で、私はこの先の未来を考えながらゆったりと亀の様に前進していたよ。 今回は、お二人へのお手紙にするまでに時間がかかってしまって、今の自分のまとめとさせてください。 どんなことをしていたかというと、花以外の仕事を変えて、住む環境も変えて、通勤を自転車に改めたり、恋人と別れて、名刺を作って、次のプロジェクトに向けて色んな人たちと一つの作品を作る方向に進めています。

紫陽花という字面が好き

東京、梅雨入り!だけど雨があまり降っていない。 『xxxHOLiC』という漫画知っているかな。 漫画の中で、紫陽花の色が埋まっているものによって変色しているシーンがあって。おかげで紫陽花にはリトマス紙のイメージがついて、赤っぽい色だと何か埋まっているのではとドキドキする。 とっきーとおゆちゃんが花が「朽ちていくことも美として捉えられる時代」について、メッセンジャーでやりとりしていたのを横目に、私は紫陽花は褪せていく姿も目に止まって日々に溶け込んでいく気がしていくな、なんて思っ

「一音で刺す」表現を見出す心構え

To: Midori ふと思うんだけど “好き” ってだれのもの?(ロンドン・碧さん) >好きにシビアだと随分きちんといきている気がしない? シビレル!シビレルよ、みどりさん!!! 最近のSNSは好きの搾取だと感じる瞬間、あるある。Black MirrorのNosediveはその搾取っぷりを極端に描いているが、この作品がファンタジーではなくブラックユーモアとして評価される、観たものをひやりとさせるのは皆、心当たりがあるからだ。だからこそ、自分の好きを問うシビアな行為をす