見出し画像

初対面の思い出①

Twitterで見かけて書きたくなったので私も書いてみる。
芸人さんとの初対面の思い出。

きつね日和編

中野で顔バレ

あれは忘れもしない2年前の7月。

同年4月頃に若手漫才コンビきつね日和を知っていつの間にかファンになっていた私は、初めて彼らを見に中野芸能小劇場へ向かった。
劇場近くの中野ブロードウェイには「梅家」という甘味処がある。
いなり寿司マイスターの資格を持つきつね日和おいなり達也さんが三拍子高倉さんと行ったお店。いなり寿司が美味。

聖地巡礼とライブ前の夕飯を兼ねてお店に行き暖簾をくぐると、1番入り口に近い席にきつね日和の2人がいた。

「これはまずい。」と思い一瞬店を出ようかと思ったが、もう店員さんはこちらを見ている。
幸い2人に顔は割れていない(※当時毎日やっていた音声配信のチャットに書き込んでいたのでアカウント名と居住地だけは覚えられている状態だった)ので、何も気づかないふりをして店内対角線上の2人から1番遠い席に座った。

なるべく2人の方を見ず、話し声も聞かないように黙々と前を向いていなり寿司を頬張った。
しかし店内は静かで聞き耳を立てずとも2人の会話が聞こえてしまう。ネタ合わせ真っ最中だったようでところどころおもしろい会話が聞こえて来るので笑わないようにするのに苦労した記憶がある。

食べ終わってライブ会場に向かうと受付の奥の椅子に衣装に着替えた2人がいた。
「やべ。」と思ってなるべくそちらを見ないように受付を済ませてホールに入る。
ライブが終わって会場を出る時もいた気がするが、やはり見ないようにして去った。
封筒にアカウント名の頭文字だけを書いたおひねりを受付に置いて。

私は認知されたくないファンだった。
有象無象の観客の1人でいる方が良いような気がしていた。
また、ネットはネット、現実は現実で切り離したかったのでアカウントと本体の紐付けはなんとしてでも避けたかった。

そう思っていたのに、その晩早速バレた。

会場に来ていたことのみならず、あの甘味処にいたことすらバレていた。

驚くべきはきつね日和松本さんの記憶力である。

その1ヶ月前に三拍子のYouTube生配信「生漫DAY」で「リモー虎笑門」という企画をやっていた。

きつね日和を含む3組の若手芸人がネタを披露し、ZOOMで繋がった10数人の客の笑顔をAIが計測する。
AI判定で「誰が1番客を笑わせたか」を決める珍しいタイプのお笑いの大会。(きつね日和が優勝した。)

私はその笑顔を計測される客として参加していた。
芸人さん側も客の顔が写っているノートパソコンを見られるようになっていて、手を振ると振り返してくれてとても楽しかった。

ノートパソコンを10数分割した小窓に小さく写っていた私の顔を松本さんは記憶していて、梅家で「あの女どこかで見たことがある。」と思ったらしい。

その違和感とおひねりの封筒に書いてあったアカウント名の頭文字が合わさって、バレたらしい。

すごい通り越してもはや怖い。

その後しばらくは「梅家で俺たちを無視した」ことを散々からかわれたので、年末に会った時に意を決して挨拶をした。

ナルゲキで挨拶

2021年12月に西新宿のナルゲキで三拍子の単独ライブ「漫密2021」が開催された。
2部制できつね日和も見学に来ると言うので1部と2部の合間に会場の前で会った。

まずはおいなりさんを発見し、「はじめまして。私がかれは(アカウント名)です。」と挨拶。

サインくださいと言いながらノートを差し出しサインを書いてもらう。(人生で初めて「サインください」を言った瞬間である。)
その後松本さんともはじめましての挨拶を済まし記念撮影をしてもらった。
撮影の時に肩を掴まれて「ディズニーの着ぐるみと同じや。」と思ったことを覚えている。

 この頃はまだ芸能人らしいサインではなく署名っぽい。オリジナルのステッカーとおまけでおいなりさんがUFOキャッチャーで取ったお菓子もくれた。
2部の後に撮った写真。急遽、2部の前説つとめることになった2人。たまたま衣装を持って来ていたらしい。

「神対応のきつね日和」として名高い2人。

私のような陰キャのファンに対しても向こうから「写真撮る?」「サイン書こうか?」と声をかけてくれる。
昨日もライブ終わりにそそくさと帰ろうとしたら会場の外で「かれはさん、来てくれてありがとう」と声をかけてくれた。
(客が芸人さんを待つことを“出待ち”というが、きつね日和は会場の外で客を待ち構えていることがある。私は密かに“出待たれ”と呼んでいる。)
諸事情で凹んでいた時には別れ際に「元気出してねー」と言ってくれたこともある。
お菓子もくれる。
ツアーイベントに参加した時は参加客全員にサイン色紙と直筆の手紙をくれた。

おかげでどの芸人さんに対してもガチガチに緊張してしまうのだが、この2人に対しては比較的緊張しない。

未だに出待ちは苦手で手渡ししたいものがある時くらいにしかしないが、会う度に2人とも良い子だなぁ…と思う。

おいなりさんはファン皆無のピン芸人時代を数年間経験し、松本さんは某高級スーパーの社員をやめて芸人になった。
きつね日和は結成してすぐに例の流行病蔓延の影響でライブに出られない月日が続いた。

2人とも絶対に売れてやろうという野心とファンを増やす(減らさない)ための心意気が強い。

おいなりさんは持ち前の画力とアイディアでオリジナルのステッカーを作って声をかけてくれた客に配って喜ばれている。
松本さんは接客業をやっていた経験があり、自身がアイドルオタクだからかファンの人心掌握が上手い。一度見たファンの顔と名前を忘れない記憶力の高さも功を奏している。

決してファンに媚びているわけでもない。

それだけでなく、ちゃんと漫才や平場のトークの腕も上げようと日々努力している。
来週は大阪のとあるイベントに呼ばれたそうだが、自分たちで探したお笑いライブにも出演するらしい。修行のために。

令和の芸人なのに泥臭く直向きに頑張っている2人を見ると自然に応援してしまう。

着実におもしろくなっていき、仕事を増やしている様子も頼もしくて応援しがいがある。

良いコンビのファンになったと思う。


初対面のことを書こうと思ったのに最後の方はただきつね日和を褒めるだけのnoteになってしまった。

次回、(気が向いたら)三拍子編。


気が向いたので書いた。


この記事が参加している募集

#推しの芸人

4,392件

な〜んちゃってマッチョマーン