見出し画像

『20世紀のポスター「図像と文字の風景」ービジュアルコミュニケーションは可能か?ー』に行ってきました。


このnoteは自身のアーカイヴとして様々なものについての体験を記録、蓄積させていくことが目的です。公開する以上、拙いですがお楽しみいただければ幸いです。

はじめに

東京都庭園美術館にて、1月30日から4月11日にかけて開催された『20世紀のポスター「図像と文字の風景」ービジュアルコミュニケーションは可能か?ー』に行ってきました。

この展覧会は名前にあるとおり、20世紀のポスターを展示し、「構成主義」がどのようにして発展して行ったのかを時代背景と共に紐解いていくという内容です。竹尾ポスターコレクションから選ばれた、全130点の貴重なポスターたちはそれぞれが圧倒的な存在感を持っていて、非常に見応えがありました。

展覧会の構成

「1.図像と文字の幾何学」「2.歴史的ダイナミズム」「3.コミュニケーションのありか」と大きく分けて3部に構成されていました。1ではスイス派の確立した構成的なスタイルについて、2ではスイスから始まった構成主義の波が国や文化を超えて社会的に広まり、変化していったことについて、3では構成的思考を持ちつつも芸術的な感性を取り込んだり、実験的に様々な手法を見出していった作家たちの発展の時代について、スポットを当てたものです。

幾何図形と文字の構成が美しいインターナショナル・スタイル

(現地での撮影を忘れてしまっていたので、本展図録を撮影)

画像2

↑ヨゼフ・ミューラー・ブロックマン(※メモ…展覧会構成1で紹介されていた代表的な他アーティスト名…アルミン・ホフマン/マックス・ビル)

洗練された印象的な構図

画像3

↑ヤン・チヒョルト(※展覧会構成2…テオ・バルマー)

様々な要素を盛り込んだ実験的作品

画像4

↑ウォルフガング・ワインガルト(※展覧会構成3…エイプリル・グレイマン)

構成主義の影にあるコミュニケーションの理念(ポスターと人との関係…見せられるものでなく選んで見るものだ、といったようなフラットさ)が人々に強く影響し大きく広がったのであれば、それはとてもドラマチックだと思いました。いいデザインとは何か、自分自身に一生問い続けていきたい…。

展覧会についての感想

会場に着き受付で、パンフレットを受け取ったとき、気が狂いそうなほど綺麗に並んだ文字組を見て、少し緊張しました。赤と黒を基調に構成されたパブロ紙は印刷物特有のなんだかいいかおりがします。整理された画面はとても見やすく、会場の順路は少し複雑でしたが、問題なく回ることができました。

画像1

1と2は本館の[旧朝香宮邸]で、3は[新館]で展開されていました。細い廊下がつながるいくつかの部屋にそれぞれ配置された作品はそれぞれが魅力的に主張し合い意外に調和が見られました。新館のスペースは開放的なつくりで、広く見回せることで作品の多彩さが強調されてとてもワクワクした気持ちで観覧しました。

展覧会を通じて、構成主義的作品の発展を広く見て、比べられたことで、当時のポスターが時代をそのまま反映するものであることがよくわかりました。あと何十年か経ったら、現代のポスターや、webのバナーが展示される日が来るのでしょうか…?

画像5

↑展覧会図録

ゆめみの勉強し放題制度を利用して購入しました。ページをめくると背筋が伸びるような、一生手元に置いておきたい一冊です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?