中学三年生でバイトデビュー(19話)
受験が終わり、ほどなくして母がある話を持ってきた。
「洋食屋さんでアルバイトしてみる?」
「興味があったらお母さんが話ししてみるけど?」
「前に学校に行かずに働きたいって言ってたから」との事でした。
私は迷わずに「やってみたい」と伝えた。
未知の経験にワクワクした。
店内はカウンター5席とテーブル席が4席の夫婦で切り盛りしている小さなお店でした。
早速母にお店の前までついて行ってもらって面接に行き、その場で決まりました。
結果、1週間でクビになり働く事が出来なくなりました。
さらに自信が無くなりました。
問題点としては
①聞き取り違い
②書き間違い
③言葉の捉え方のはき違い
④理解力の無さ
⑤食器、グラスを何枚も割る
⑥お盆と人の距離が分からずお客様に何度もぶつける
⑦暗記力の無さ
⑧計算機を使って何度もレジのお金を合わせるが、合わせる事が出来ない
⑨考える事が出来ない…
挙げればきりがありません。
私にもお店の人のイライラが伝わっていました。
そんなこんなで、母宛に一本の連絡が入り
「うちでは無理です」
と洋食屋の奥様から連絡が入り母からその旨を伝えられました。
しかし、自分に対し強く自信が無くなったとしても直ぐに忘れるのです。
“泣いた烏がもう笑う”状態です。
これではお店の人も手ごたえすら感じる事ができません。
その状況を抜け出すと直ぐに忘れるのですから“糠に釘”です。
褒められれば精一杯歓び調子に乗る。
怒られればその感情が理解できず笑ってしまう。
それに対してまた怒られて怖いと感じて泣く。
どれだけ、経験しても人間的な感情は分かりません。
つづく
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