中学進学(16話)
自分にとってどんどんと社会が窮屈になっていく事を身体が物語っていた。
日常的に歩く事がストレスで足が硬直する感覚があり、真っ直ぐに歩くのも足が強張ってスムーズには歩けなくなっていた。
鞄で手を固定したり、制服の硬い部分や服の中に手を入れて固定しないと歩けなくなっていた。
突然に歩かなければならない時には心の準備ができていないのでとても困りました。
曲がり角になると余計に壁や物を触らないと曲がる事ができない。
最悪、真っ直ぐに進む事同様に制服の中に手を突っ込んで手を拘束する事で曲がれたりする事が可能であった。
リラックスしている家の中ではスムーズに進む事、曲がる事が出来た。
今思えば場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)にも近いものがある様に思う。
それ以外ではまだ排尿のコントロールが難しい上に教室では色んな障害物がある為、当然トイレにも間に合わないので失敗もよくあった。
恥ずかしい感情も空しいと思う事も日常茶飯事でどんどん自分に自信が持てなくなっていく。
チックの症状もどんどん激しくなって授業中などではとても恥ずかしかった。
小学校からも美術と体育以外は何一つついていけなかったので、中学校では更にちんぷんかんぷんで学校生活は楽しいと感じれず苦痛、いや、地獄でしかありませんでした。
自転車に乗っているか泳いでいるかがストレスを感じずにいれるひとときであった。
昭和のバイブレーションが私にとって余りにも重く、今にも肉体と心が潰れそうだった。
よどんだ空気や重苦しい思いをしている人がいればすぐさま、鼻がセンサーになり真っ赤に腫れて空気を吸う事も痛くて痛くてそれに耐える事が1日のうちに何回あったか分からない。
クラスメイトからも
「また、わーやん鼻真っ赤になってるで何でなん(笑)」
と言われ、思春期の私には耐えられない思いでした。
周りの友人達の高度な会話にもついていけずに氣づけば私の周りからは友人がいなくなっていた。
周りのクラスメイトが羨ましくてしかたなかった。
休み時間机に座りながら皆の動きをずっと見ていました。
何故あんなにスムーズに歩けるの?
どうやったら曲がり角スラスラ行けるの?
皆器用でいいな。
何故皆は、鼻が赤くならないの?
どうやったら私に相談事をしてくれるんだろう?
私を同い年の子の様に普通に接してくれないの?
私はバカな上に、おしっこたれだもんね…普通じゃないもんね…当然だよね…。
なんで皆身体がピクピクしないの?
おしっこ、どうしてちゃんと行けるの?
皆勉強頑張るってどうやるの?
どんどん自分が嫌になりました。
そして、死にたいといつも思うベースが整ってしまいました。
毎日、家で泣いていました。
皆を見て心で泣きました。
自分は中途半端なアホじゃなくもっと分からないアホになりたいと何億回願ったか。
お月様にも願いました。
好きな人が出来ても。
こんな私じゃ気持ち悪いよね。
と中学生でいつも死にたいと思うようになりました。
つづく
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