四年前の年末年始

今年も「裏窓から」をよろしく ─ 元日篇 (2019)

暮れてゆく大晦日に考えていたこと


30日

人生というドラマにスポットライトなどなかった

(わたしの)
人生というドラマに
スポットライトなど
なかった
いや
スポットライトなど
不要だったというのが
正しいのだろう
静かに暮れ行く
平成最後の師走に
静かにあらゆることを
振り返ろう

波乱万丈ではなかった
とりわけ幸せでもなかった
自分の思い通りに生きてきたのだが
悔しい思いもしたこともあった
でもそんな気持ちも時間とともに諦めに蝕まれ
激しく憎んでも許されるほどの裏切りに
何度も遭遇しながらも
その憤怒さえも投げやるところもなく
心の奥で磨り潰すように失って行ったのであった

もういまさらそんなことで心を乱すよりも
真っ当で綺麗な気持ちで
これからの希望を見つめながら
人生を締め括っていきたいと思う
終幕を引く時間がどれほどの月日となるのか
予測などできないけれど
暇がかかればアンコールのチャンスが来たと思えばいいし
間に合わなければ泣いて済ませるしかない


31日

平成最後の大晦日に考える

きのうから
いや
今年の暮れあたりから
生き方について考えることが増えている

世の中には いろんな生き方があって
ドラマのような生き方の人もあれば
教科書のような生き方もある
自分が幸せを目指したのであれば
その描いた姿と生きて来た姿を照らし合わせて
幸せの満足度を決めるのかもしれない
そこに豊かさなども覆いかぶさって
複雑になってくる足跡の回顧を
記憶という極めて人間的であるヒトの特徴がフィルタリングすることで
その演算曲線を指数関数的に重みつけてしまう
つまり
今幸せであれば
過去は許してしまうこともありうる
というような心理があるのではないでしょうか

いま
幸せですか
それを問われたときに
どこまで自信を持って
勢いよくハイと言えるか