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いつもよりもちょっぴり温かい冬の或る日の話

今年の冬はなんだかとても温かい。久しぶりの再会となった照寿司のなべちゃんと3セッション終わりに、きろくの無濾過をソーダで一杯飲む。息子の受験を控えた彼は2杯飲んでから、ホテルへと後にする。もう11月の終わりだというのに、仕半袖で家路に着ける。街は外国の言葉が溢れている、どの言葉かどの方言なのかを分析する楽しみがまた戻ってきたようだ。壁をぶっ壊して、リビングとセカンドキッチンを繋げたからか、自宅の部屋の中ももの凄く温かい。空気の流れというのは実に繊細だ。そこに流れが生まれると一気に部屋の温度が変わるのだった。仕事終わりは静かにデスクに向かう、静寂の中で冷蔵庫の音が微かに耳に届く。ちょうど昼頃のロンドンからメッセージが沢山届くが、だいたい緊急なものを除いてはチラッと見ただけで明日消化するようにしている。僕の夜は静かにエンジンの回転数を下げていく・・・そんな時間だ。

冬の朝という表現が似つかわしくないような、そんな温かい朝だった。いつものようにダグラス・ウェバーのグラインダーで焙煎したてのエチオピアのコーヒー豆を入れる。垂水の水で沸かしたお湯で静かに3分ほどお湯を落としていく。大体32g〜40g、出来上がりは400−530mlぐらいの想定だ。二人でたっぷり飲める、余ったら冷やしてアイスコーヒーにする。このぐらいの量がお湯を注ぐ時の満足感が高い。朝はヨーグルトだけだ、そこに少しの蜂蜜を落として、出来たてでキラキラしているコーヒーを静かに頂く。昼食までの時間は頭が思いっきり動く時間だ。この中で処理しないといけない内容を整理していく。コーヒーのカフェインは30分後ぐらいに脳の中枢にキックインする、ここからがドライブのかけどころだ。

国境が開いてからというものの、僕は現場に立ち続けている。その時間はもちろんこのようなコーヒーテーブルに向かってパソコンの画面を観るという作業からは引き離される。朝の僕は世界各国から届く予約のメッセージのやり取りをしっかりと判断して適材適所に振り分けていくこと、そして自分がそのタイミングでキッチンイン出来るかどうかの調整をかけていくことに大切な時間は充てられる。不思議と久しぶりにやってくるゲストがWAGYUMAFIAに来たい日は、僕が家の時間に充てていた時間だったりする。その日とこの日。あぁ、この日は僕はダメだ、だったらその日にキッチンインするか。この12月とうシーズンだけは休み無しで目一杯働こうと決めている。毎日真剣に向き合えば、きっと見えてくるものがある。僕はそう信じている。

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