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世界に誇る大曲の花火

大阪の町寿司を食べながらそのメキシコの友人は言った。「大曲の花火が本当に素晴らしいんだよ。今年は3年ぶりに開催できるんだ。一緒に来るかい?」興奮して話していると、お客さん声小さくお願いしますと注意される。カウンターにはタイマーが置かれていてあと10分ででないといけない。そんな店のカウンターでの話だった。

そして僕らは4ヶ月後、大曲にいた。盛岡から車で3時間、大曲についても車を寄せられるだけ寄せても会場まで徒歩30分の道のり。あいにくの天気で雨模様だったが、ハーメルンの笛吹き的な行進を続けると、河川敷にものすごい数の人たちがいる。

大曲の花火は、コンペティション形式だ。全国からの花火師が自慢の技術を持ち寄り競い合う。和牛で言うところの共進会に近いようなそんな祭典だ。だから見る側も審査員のような気分で比べながら見ることができる。今年で94回目、1910年から数えると今年で112年目という歴史に支えられた花火大会だ。

元々は諏訪大社の余興イベントから始まったこの大会、間違いなく世界コンテンツだ。どこのイベントもそうだが実行委員会と地元の軋轢が若干あるらしいが、僕だったら100万円取る席を100ぐらい作ってヘリで往復するなど、しっかりとしたVIPサービスをしたら直ぐに完売するだろなぁと思った。一生に一度は参加してほしい、そんな素晴らしい花火大会だった。目を瞑ると今でもあの音の衝撃、そして夜空に煌めく閃光、硫黄の香りが蘇ってくる。

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