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JALにてCPAP使用を注意される話

シンガポールでの滞在を終えた深夜便、英語ではa-red-eye flightという。食事もスキップして、お決まりの睡眠時無呼吸症候群防止のためのCPAPを着用して寝ていると、何やら明かりをつけたフライトアテンダントが2名「浜田さま」と何度も呼びかけてくる。「なんですか?」と確認すると、「CPAPをお使いですね、本機で使用できるかどうか確認させて頂いてもいいですか?」と来る。時間は1時半だ、そんな時間にと思ったが素直に協力することにした。ライトを当てながら機器をくまなくチェックして、リスト化されている端末かどうかをチェックすること数分。「大丈夫です、使えるようです。」との解答だったので、すぐに睡眠に戻ろうとしたら一言尾ひれがついた。

「次回は必ず予約時に端末の詳細をJAL宛に電話して伝えてください。」

人を睡眠から起こしておいて時間を奪って、そしてなおかつ注意されるという裁判官みたいな態度に「なぜですか?」と尋ねると「電圧の問題で飛行機の運行に支障をきたすことがあるためです」と来る。僕のCPAPはレスメド社のAIRMINIという極小CPAPでその電圧は24Vで、パソコンなどと同様だ。電圧変換のためのACアダプターももちろん付いている。明かりを照らしているから横のおじさんはキョロキョロ何があったか見てくるし、恥ずかしいのだがこういう理不尽なことは睡眠時無呼吸症候群患者のために良くないと思い、眠気を振り払い確認することにした。

僕が24Vと0.83mahの話をして話し出すと、「そういう難しい話はわかりかねます」と言う。調べてみるとたしかにJALのホームページでもCPAP使用の睡眠時無呼吸症患者向けにこんな注意書きがある。

「睡眠時無呼吸症候群のお客さま」
https://www.jal.co.jp/jalpri/pre-application/sleep.html

今まで海外の飛行機でもずっとCPAPを使ってきたが言われたこともなかったし、こうして起こされて威圧的に注意されたこともなかった。これは趣味でつけているわけでもなくて、「睡眠時無呼吸症候群という病気でその無呼吸状態を防ぐための医療機器ということだということがわかりますか?」と告げる、そうするとそのフライトアテンダントは「私はJALに30年間勤務しておりますが、事前に申告されなかった乗客は浜田さんが初めてです」と言う。「それは本当ですか?」と尋ねると、横にいた若いフライトアテンダントに「そうよねぇ?」と確認する。僕は「いえいえ、あなたに確認しているのですよ?」と尋ねると表情が変わった。ここで議論していても堂々巡りだと思ったので、正式に意見書を出すことにした。HPでは記載されているものの、そんなの探し当てないと分からないし、何しろこの深夜に起こされて、衆目のもとで注意されるという、差別的な扱いにしっかりと抗議しないといけないと思ったのだ。

席に戻ってから対応してもらった方のお名前を確認しようとすると、「どなたが対応しましたか?白い服を来ていましたか?」と言う。その時点で初めて気づいたのだが、どうやらチーフキャビンアテンダントの方だったようだ。若手のキャビンアテンダントは「個人情報なので教えられません」と答える。「いやいやサービス業としてそれはおかしいでしょう」と伝えると、確認してきますといい、その人の名刺を代わりに持ってきて渡してくれた。30年勤めたとか、白い服を着ているから何でもしていいというわけではない、ましてや持病のことを他の乗客に知られるような形で調査してしまうというのも、この病気に対しての差別的な扱いだと思う。何よりも彼らは僕らと一緒にサービス業であるはずだ、数時間しか寝られない時間に起こしてこういう不愉快な行動をして、われ平然と自分のキャリアの自慢をされるというのもどうかなと思う。

CPAP使用している睡眠時無呼吸症候群の方々は、面倒ではあるが毎回予約・発見時に各飛行機会社の窓口に連絡して、僕のように心地よい旅を台無しにされないようにするのがいい。航空会社にはもう一度睡眠時無呼吸症候群(SAS)が病気であり、それを改善するためのCPAP使用者は全世界で伸びていることを勉強してもらい、CPAPの機材そのものも昔の大型のものから僕が使っているレスメド社の超小型のものに変わってきていることなども踏まえて、アップデートされた内容で対応してもらえることを今後望みたい。


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