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丁寧にそして丁寧に、日本を代表する気持ちを忘れない努力

ふとした瞬間に訪れる高揚感みたいものがある。それはなんの前触れもなく、突然やってくるものだ。昨日がその瞬間だった。ゲストとの会話から急遽メニュー構成を変更して、スタッフに食材の移動をお願いする。距離感の取り方は、ゲストそれぞれに違う。自分から詰めてくれる人、そしてこちらからの動向次第で対応が変わる人。その微妙な空気の流れみたいなものをどう読んで、料理とショーに変えていくが難しくも面白いところだ。だから僕はカウンターが好きだ。

久しぶりにきたスイスの友人が偶然にもそのゲストグループと香港で一緒だったらしい。そして僕の友人グループは新幹線で向かっているも開始から1時間遅れとの連絡が入る。本来なら流れが大変になるのでなるべく早めにきて欲しいと懇願するのだが、こういうときは偶然が偶然を呼ぶものだ。彼らが遅れてきたことで、ゆっくり集中して対応できる、そして僕のスイスの友人とも談笑してWAGYUMAFIAらしいアップテンポの雰囲気と丁寧な対応が交互にあわさっていく。

移動した食材はすぐさま仕込みに入り、そしてサーブされていく。そのときの大きな喜びを顔全体で表現されて、良かったなぁっと思うのだった。すべてのゲストが笑顔で包まれていく。長いセッションが終わると、メッセージが届く。一年前にやってきたゲストが再び戻ってくる。感情を表に出さないゲストだった、それでも最後まで僕らはショーをし続けてベストを尽くした。そんなゲストから日本に戻るからまた戻りたいというメッセージが一日の終わりに届く。

丁寧に丁寧に、そして丁寧に続けていくことで見えてくるものが必ずある。

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